日医ニュース 第979号(平成14年6月20日)
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平成14年度第1回都道府県医師会長協議会 「重大なる覚悟をもって修正を迫る」 |
| 平成十四年度第一回都道府県医師会長協議会が,五月二十八日,日医会館で開催され,五つの県医師会から提出された協議事項について,それぞれ執行部役員が説明・答弁を行った. |
羽生田俊常任理事の司会で開会した協議会は,まず,坪井栄孝会長のあいさつから始まった.
「診療報酬の改定内容が表面に出て以来,連日のように私のところにも直接,厳しい叱責等が入ってきており,大変申し訳ない気持ちである.医療費そのもののマイナス二・七%の改定に対する不満は当然であるが,それにもまして,今回の診療報酬改定作業の内容が,あまりにも医療集団としてのわれわれの技術を無視した政策であることに対する怒りの声が多い.
具体的には,手術料の格差,再診療の逓減制など,医師本来の技術料を何と心得ているのかという内容である.本日の協議のなかでその話題が出れば,担当役員から回答するつもりである.いずれにしろ,先生方の不満,怒りをしっかりと受け止めて,重大なる覚悟をもって,一日も早い修正を迫っていかなくてはならない.また,今日は,これからわれわれのとっていかなければならない態度を表明するいい機会だと思っているので,積極的な協議をお願いしたい」
| 力強い産業としての医療を前面に |
「力強い産業」としての医療を強く前面に打ち出していくためにも,「医療のグランドデザイン」を各界にアピールしてほしいという石川県医師会からの提案に対して,青柳俊副会長が次のように答えた.
「日医は医療のグランドデザインに限らず,いくつかの太い柱で主張を続けている.特に,医療産業的な側面から,医療は消費でなく投資であるという考え方は非常に大事な柱の一つと考えている.
医療費が果たす社会経済面でのプラス効果というものは,医療の非営利性の確保,公的医療保険体制を維持・確保するという大前提のもとに考えていかなければならない.
しかし,現在の医療の議論は,究極の医療産業論となっている.このなかでは,株式会社の参入,混合診療の問題などが提起されているので,そこの部分は十分注意深く考えながら,広報戦略を練っていきたいと考えている.
さらに,従来型の広報活動だけではなくて,会員,国民,患者さんに対して,いかに双方向性の広報活動を展開するかということで,現在方法論を検討しているところである.近々,先生方には,その方法論をもって,ご協力をお願いしたいと思っている」
| 「指導・監査」のあり方と「点数表の解釈」 |
沖縄県医師会からの提案,「指導・監査および点数表の解釈の改正等」については,菅谷忍常任理事が回答を行った.
「指導大綱については平成八年に見直しが行われ,個別指導・集団的個別指導等の規定に関しては,各県医師会から多くの意見をいただいたため,平成十年三月に通知を出し,医師会主導により必要な医療機関に対して必要な指導をしてもらえれば良いということとした.
この大綱を改正するということになると,保険者との協議もいることであり,なかなか難しい.当分の間は,現在各都道府県が医師会と協議して実行している指導・監査体制を続けていくつもりであり,何か問題があれば,日医へ連絡してきてほしい.
『点数表の解釈』については,確かに難しくなっている.日医としても,平易に書き改めるよう,以前から要望しており,引き続き厚生労働省に要望していく.日医から,『点数表の解釈の解釈』を出してほしいということであるが,予算の問題もあり,その点が解決できれば不可能なことではないと考えている」
| 主傷病名,副傷病名の記載と二百五円ルールの廃止 |
三重県医師会より,厚生労働省保険局からの通知「診療報酬請求書等の記載要領等の一部改正について」の主傷病名,副傷病名の記載に関する見解と,日医からの通知文書の責任者を問う質問があり,石川高明・青柳両副会長と菅谷常任理事がそれぞれ回答した.
青柳副会長は,審査段階の問題と,将来的に疾病分類に基づく支払方式に結び付けられないかという二つの問題があることを指摘し,審査上,主傷病名,副傷病名の記載がなくても,問題なく審査支払が行われるように対応を取ったこと,日医として,疾病分類に基づく支払方式に結び付けられることは断固阻止する方向であるという回答を行った.
石川副会長は,「文書の最終的な通知責任者は日医執行部である」と述べた.厚生労働省から日医に通知があったもののうち,執行部で必要だと判断したものは,日医の見解等も含めて都道府県医師会に文書ならびにFAXで送信し,その後,地区医師会宛に送信していることを説明した.また,インターネット等も利用し,速報性が求められるものについては,各医療機関になるべく早く届くよう努力している点を強調した.
菅谷常任理事は,診療報酬改定に伴う二百五円ルール原則廃止によって起こる審査上の混乱への対応を,「便法として利用できる医療機関はそのような対応ができるように検討したもので,必ずしも今の記載要領そのものを変えようとしたものではない」と述べ,二百五円ルールは,薬剤名の記載以外は,従来どおりの扱いであることを理解してほしい旨を説明した.
| 医療特区と国立病院等の独立行政法人化 |
新潟県医師会から,医療における規制改革特区,構造改革特区および国立病院等の独立行政法人化に関する質問があり,前者の特区については石川副会長が,後者については西島英利常任理事がそれぞれ答えた.
石川副会長は,「特区を実行しようとすれば,そのための法律が必要となり,一国のなかに二制度が存在することになる.首相のリーダーシップだけで特区導入ができるわけではない.結局,特区の構想は絵に描いた餅だと考えている」と述べ,各地域医師会の対応と協力を要請した.
つづいて,西島常任理事は,「これは平成十六年度に百四十四の国立病院を一つの独立行政法人としようというものであり,法案が提出され,衆議院厚生労働委員会に付託されたが,まだ一度も審議されていない」と述べ,「国立病院・療養所の独立行政法人における財政運営と効率化方策に関する懇談会」が今年の夏に報告書をまとめる予定であり,日医の考えを反映させていく考えであることを明らかにした.
その他として,北海道医師会から,(1)専門医広告(2)緊急レセプト調査の受付状況(3)ワールドカップ緊急対策(4)患者の安全確保対策─などについての質問があり,それぞれ担当役員が回答にあたった.
(1)については,あくまでも「かかりつけ医」から「専門医」へというのが日医の主張であること,(2)は,現在作業中であり,六月中旬には速報値が出せる予定であること,(3)のW杯対策本部を五月二十日から七月十二日まで設置すること,(4)医療事故の報告制度については多くの問題があり,現在,厚生労働省と協議中であること─などと答えた.
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