日医ニュース 第983号(平成14年8月20日)

社会保障審議会総会
7検討項目が示される


 社会保障審議会(会長:貝塚啓明中央大学法学部教授)の総会が,七月二十六日に開催され,社会保障に関する制度横断的な議論が行われた.
 当日は,まず,介護給付費分科会報告「介護報酬体系の見直しについて」の説明があり,つづいて,医療分科会における東京女子医科大学病院の特定機能病院の承認取り消しの報告があった.その後,平成十四年度以降の四分科会(医療分科会・福祉文化分科会・介護給付費分科会・年金資金運用分科会)と四部会(児童部会・障害者部会・年金数理部会・年金部会)における審議の進捗状況の報告がなされた.
 社会保障における制度横断的な検討項目についての議論に移り,厚生労働省より,(1)社会保障の給付と負担の在り方(2)社会保障の支え手(3)社会保障と関連する税制の在り方(4)社会保障における地域の役割(5)社会保障全体について国民にわかりやすい情報提供の在り方(6)社会保障における給付の重複の調整(7)雇用・就労形態の変化と社会保険制度の在り方―の七項目が提示された.
 議論のなかで,糸氏英吉副会長は,当審議会が分科会の報告にかなりの時間がとられてしまうという問題点を指摘するとともに,「健保法等一部改正法案が成立しそうな状況にあるが,これがとおると,十月から高齢者,特に,医療費のかさむ人や重症の人に大変な負担がかかる.保険料負担や,自己の医療費の負担額がどのくらいかかるかを,厚生労働省が国民に直接情報提供を行うべきである」と述べ,具体的な家計負担の内容を国民に事前に知らせる必要性を指摘した.
 最後に,貝塚会長が,今後の議論の進め方については,論点を整理して,素材を提供し,そのなかのウエイトを置く部分を定めていきたいという方向性を示した.


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