日医ニュース 第995号(平成15年2月20日)

日医
WHO「たばこ規制枠組み条約」議長案の成立および批准を要望

 櫻井秀也常任理事は,一月二十八日の記者会見において,日医が坪井栄孝会長名で,川口順子外務大臣,塩川正十郎財務大臣,坂口力厚生労働大臣に対して,世界保健機関(WHO)における「たばこ規制枠組み条約」の成立および批准を要望した文書(後掲)を提出したと発表した.

3大臣に要望書を提出

 「たばこ規制枠組み条約」については,現在,二〇〇三年五月のWHO総会における採択を目指して政府間交渉が行われているが,要望書は,一月十五日に示された議長案の内容が日本の主張によって,これ以上後退することないよう求めたものである.
 今回の要望書提出は,禁煙推進委員会(プロジェクト)が一月二十八日に坪井会長に報告した「禁煙推進に関する日本医師会宣言」(禁煙日医宣言)(案)の項目の一つである,「禁煙を推進するための諸施策について,政府等関係各方面への働きかけを行うこと」の一環として行われた.
 櫻井常任理事は,「宣言案は,医師・医師会ができることからやっていこうという意図で作成した.その趣旨を踏まえて,全国の病院・診療所および医師会館の全館禁煙の推進をはじめ,今後も,パッケージにはっきりとした警告表示を載せることの提言といった具体的なアクションを起こしていきたい」と述べ,従来から行っている日医の禁煙推進事業をますます展開していきたいと強調した.

要 望 書

 現在,世界保健機関(WHO)において,「たばこ規制枠組み条約」の採択に向けて,政府間交渉が行われています.今後の日程として二月の第六回政府間交渉を経て,五月のWHO総会での採択が予定されていると聞いております.
 本条約の目的は,「現在及び将来の世代をたばこ消費及びたばこ煙への暴露によって起こる甚大な健康的・社会的・環境的・経済的被害から守ることにある」とされています.
 たばこは,健康に悪影響を与えることが医学的に明らかであります.
 日本医師会は,国民の健康を守る立場から,二〇〇三年一月十五日に示された「たばこ規制枠組み条約」議長案を,日本政府がその内容を後退させることなく,条約の成立及び批准に向けて尽力されるよう,強く要望いたします.
 なお,日本医師会では,禁煙推進に関する日本医師会宣言(禁煙日医宣言)を次期代議員会で採択し,禁煙推進により一層取り組んでいくことにしています.

 平成十五年一月二十七日


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