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第1004号(平成15年7月5日) |
中医協
医療提供体制の諸問題を議論

中医協薬価専門部会ならびに保険医療材料専門部会が,六月十一日,都内で開催された.
両部会は,それぞれ専門組織(薬価算定組織・保険医療材料専門組織)から薬価算定基準および特定保険医療材料の保険償還価格算定基準の見直しについて意見を聞いた.
薬価算定組織からは,「新規性の乏しい新薬についてより厳しいルールを適用すべき」「投与回数の減少等高い医療上の有用性を有するものについては相当の加算をすべき」,保険医療材料専門組織からは,「再算定を行う特定保険医療材料の対象を広げるべき」「特定保険医療材料を包括的な支払方式のなかで診療報酬上評価していくべき」などの指摘がなされた.
今後は,両部会ともに,専門組織の意見を踏まえて論点整理を行い,議論を進めることとなった.
なお,本年度に医薬品価格調査ならびに特定保険医療材料価格調査を実施することが了承された.
十八日には,診療報酬基本問題小委員会が,厚生労働省で開催された.
当日は,(1)医療機関等の機能に応じた評価(2)疾病の特性に応じた評価―について,厚生労働省から説明を受け審議した.
青柳俊副会長は,厚生労働省が四月三十日に公表した「医療提供体制の改革のビジョン案」に対して,「中医協の役割は,どのように財源を確保し,配分するかにあるが,これらをもっと議論する必要がある.制度改正によって窓口負担が増え,あるべき医療提供体制・姿勢が歪んでくる問題が起きる.この歪みをまず議論する必要がある」と述べた.また,大都市偏重ではなく,十分に医療提供体制が整備されているとは限らない地方の中都市のことも考慮に入れる必要性を示唆した.
この日は,「小児医療」の問題も議論されたが,櫻井秀也常任理事は,共稼ぎの夫婦の増加が夜間診療の需要を招いていること,核家族化・少子化に伴う軽症患者の殺到―といった社会的背景を踏まえて点数設定をすべきだと主張した.また青柳副会長も,「中医協でこの問題に対応するのであれば,小児科への診療報酬上の優遇措置が実際に機能しているのかどうかが分かる資料を出してほしい」と述べた.
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