日医ニュース
日医ニュース目次 第1007号(平成15年8月20日)

資料版
平成13年度国民医療費の概況
(厚生労働省)

国民医療費の範囲
 「国民医療費」は,当該年度内の医療機関等における傷病の治療に要する費用を推計したものである.この額には診療費・調剤費・入院時食事療養費・老人訪問看護療養費・訪問看護療養費のほかに,健康保険等で支給される移送費等を含んでいる.
 国民医療費の範囲を傷病の治療費に限っているため,(1)正常な妊娠や分娩等に要する費用,(2)健康の維持・増進を目的とした健康診断・予防接種等に要する費用,(3)固定した身体障害のために必要とする義眼や義肢等の費用は含んでいない.また,患者が負担する入院時室料差額分,歯科差額分等の費用は計上していない.

結果の概要

1.国民医療費の状況
 平成13年度の国民医療費は31兆3,234億円であり,前年度の30兆3,583億円に比べ9,651億円,3.2%の増加となっている.
 国民一人当たりの医療費は24万6,100円であり,前年度の23万9,200円に比べ2.9%増加している.
 国民医療費の国民所得に対する割合は8.46%(前年度7.98%)となっている.

国民医療費と対国民所得比の年次推移

2.制度区分別国民医療費
 制度区分別にみると,医療保険等給付分14兆1,871億円(構成割合45.3%),老人保健給付分10兆7,623億円(34.4%),公費負担医療給付分1兆6,899億円(5.4%)となっている.また,患者負担分は4兆6,841億円(15.0%)である.
 対前年度増加率をみると,老人保健給付分は5.1%の増加,国民健康保険は2.4%の増加,被用者保険は0.3%の増加となっている.

制度区分別国民医療費

3.財源別国民医療費
 国民医療費31兆3,234億円のうち,「保険料」は16兆4,769億円(52.6%)であり,「国庫」は7兆7,399億円(24.7%),「地方」は2兆3,977億円(7.7%)である.

財源別国民医療費

4.診療種類別国民医療費
 診療種類別にみると,一般診療医療費は24兆4,133億円(77.9%)であり,そのうち入院医療費は11兆5,585億円(36.9%),入院外医療費は12兆8,548億円(41.0%)である.また,歯科診療医療費は2兆6,047億円(8.3%),薬局調剤医療費は3兆2,703億円(10.4%),入院時食事医療費は1兆12億円(3.2%)となっている.
 対前年度増加率をみると,一般診療医療費は1.9%の増加,歯科診療医療費は1.8%の増加,薬局調剤医療費は16.5%の増加である.

診療種類別国民医療費

5.年齢階級別国民医療費
 年齢階級別にみると,0〜14歳は2兆754億円(6.6%),15〜44歳は4兆9,364億円(15.8%),45〜64歳は8兆9,165億円(28.5%),65歳以上は15兆3,950億円(49.1%)である.
 国民一人当たりの医療費をみると,65歳未満は15万2,500円,65歳以上は67万3,200円である.一般診療医療費の一人当たり医療費をみると,65歳未満は11万4,400円であり,65歳以上は54万5,400円である.歯科診療医療費の一人当たり医療費をみると,65歳未満では1万8,400円であり,65歳以上では3万円である.

6.傷病分類別一般診療医療費
 一般診療医療費を主傷病による傷病分類別にみると,「循環器系の疾患」5兆4,609億円(22.4%)が最も多く,次いで「新生物」2兆7,402億円(11.2%),「呼吸器系の疾患」2兆1,647億円(8.9%),「筋骨格系及び結合組織の疾患」1兆8,418億円(7.5%),「消化器系の疾患」1兆7,405億円(7.1%)である.
 65歳未満と65歳以上のそれぞれ上位5傷病の構成割合をみると,65歳未満では「呼吸器系の疾患」,「循環器系の疾患」,「新生物」の3傷病で35.3%であるのに対し,65歳以上では「循環器系の疾患」が32.2%を占めている.

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