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第1008号(平成15年9月5日) |

第三次レセプト調査
深刻な3割負担導入

今回の調査は,一万百十五医療機関(診療所八千三百六十二,病院千七百五十三)のデータを集計・分析したものとなっている.主な結果は以下のとおりである.
総点数を入院・入院外別に見てみると,入院(診療所が対前年同期比一・四〇%減,病院が同二・〇九%増),入院外(診療所が同四・一六%減,病院が同一・四六%減)となっている.
総点数を病院の病床規模別で見てみると,入院は規模に係らずプラスであるが,入院外では規模が大きくなるほどマイナスの幅が小さくなっている.
診療所の入院外における総点数を主な診療科別で見てみると,内科で対前年同期比五・六八%減,外科で同五・六一%減,整形外科で同二・五九%減となっている.
老人の入院外を総点数で見てみると,診療所で対前年同期比七・七七%減,病院で同一・八〇%減.また,社保本人では,病院・診療所ともに入院・入院外で総点数がマイナスとなり,合計でも対前年同期比五・五〇%減となっている.
また,今回の結果を基に過去三年間の医療費(医科)の変化を見てみると,総点数・総件数・総日数ともにマイナスとなっており,特に総日数への影響が顕著であった.(図2)
青柳副会長は,この結果を受けて,「社保本人から国保に移行したことによって,被保険者数が減っている可能性もあるが,被用者保険の負担を三割にした影響はかなり大きく出ている」との印象を語った.
また,今回の結果にさらに詳細な分析を加えて,診療報酬改定に向けての課題を総論・各論に分けて整理していくとともに,診療側の団体や会内の意見調整を進め,秋口の中医協で診療報酬の改定要望を行いたいとした.
図2 レセプト調査結果から見た2001年〜2003年の医療費(医科)の変化
(2001年を100とした場合の推移)
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2001年(4〜6月) |
2002年(4〜6月) |
2003年(4〜6月) |
総点数(医療費) |
100 |
96.14 |
95.94 |
総件数(患者数) |
100 |
97.87 |
95.56 |
総日数(延患者数) |
100 |
96.19 |
92.37 |
〔出典 日本医師会レセプト調査〕 |