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第1008号(平成15年9月5日) |
平成14年 糖尿病実態調査
糖尿病が強く疑われる人は740万人に
(厚労省)
わが国の糖尿病患者数は,生活習慣と社会環境の変化にともなって急速に増加している.また,糖尿病はひとたび発症すると治療は困難であり,放置すると網膜症,腎症,神経障害等の重大な合併症を引き起こすことが多いことから,生活の質の低下等を招いている.さらに,糖尿病の医療費は平成十二年度で一兆千百五十五億円と前年と比べて三・五%増加しており,今後も増加するものと考えられる.
このため,「健康日本21」においても生活習慣の改善に加え,糖尿病有病者の減少や糖尿病有病者の治療の継続等について,二〇一〇年度を目途とした具体的な目標を掲げている.
注)健康日本21における糖尿病分野目標値(抄)
・糖尿病有病者数 二〇一〇年 一千万人
・糖尿病有病者の治療継続率 二〇一〇年 一〇〇%
今般,わが国の糖尿病に関する状況の推移を把握し,糖尿病の発症予防(一次予防)対策,さらに発症した者の早期発見・継続的治療等(二次予防)の対策を効果的に実施するため,厚生労働省は,平成十四年十一月に国民栄養調査と合わせて糖尿病実態調査を実施した.結果は次のとおり.
結果の概要
(一)糖尿病が強く疑われる人は約七百四十万人.糖尿病の可能性を否定できない人も合わせると約千六百二十万人と推定される.
注)
・糖尿病が強く疑われる人 約六百九十万人
・糖尿病の可能性を否定できない人との合計 約千三百七十万人(平成九年糖尿病実態調査)
(二)糖尿病が強く疑われる人のうち,現在糖尿病の治療を受けている人は,五〇・六%であった.
注)糖尿病が強く疑われる人のうち,現在治療を受けている人 四五・〇%(平成九年糖尿病実態調査)
(三)糖尿病が強く疑われる人のうち,健診を受けたことのある人の半数以上は治療に結びついているが,健診を受けたことがない人では,八九・四%は治療を受けていなかった.
注)糖尿病が強く疑われる人のうち,検診を受けたことがない人で治療を受けていない人 九一・九%(平成九年糖尿病実態調査)
糖尿病が強く疑われる人および糖尿病の可能性を否定できない人の推計

注)
(1)「糖尿病が強く疑われる人」は,ヘモグロビンA1c 6.1%以上,または,アンケート調査で,現在糖尿病の治療を受けていると答えた人.
(2)「糖尿病の可能性を否定できない人」は,ヘモグロビンA1cが5.6%以上6.1%未満で現在糖尿病の治療を受けていない人.
(3)平成9年調査報告においては,平成8年10月1日の推計人口を乗じて推計.
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