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第1017号(平成16年1月20日) |
緊急のお知らせ
健康食品等健康被害情報について

下記のとおり,厚生労働省に報告のあった健康食品等健康被害事例について,製品名を公表しましたので,当該製品に係る健康被害事例の情報が得られた場合には,所轄の保健所に情報提供いただきますよう,よろしくお願い申し上げます.
(健康被害事例)
製品名 |
報告自治体 |
事例の概要 |
年齢・性別 |
健康被害事例 |
入院・通院 |
雪茶(同一製品名のもの4製品),
納西雪茶 |
福岡県2例 |
20歳代女性(娘)
50歳代女性(母) |
肝機能障害 |
入院(娘)
通院(母) |
(臨床経過)
・雪茶を取り上げたテレビ番組を見て,雪茶による脂肪分解効果を期待し,痩身を目的としてインターネットによる購入を決意し,昨年8月下旬より親子同時に摂取を開始した.
・5〜10gの雪茶を約2リットルの湯で煮出し,お茶代わりに1人当たり1日約1リットルを継続的に,医師より中止するよう指示される11月末(母)および12月はじめ(娘)まで摂取していた.
・使用する製品については,半月から1カ月間で替えていた.
・母は10月下旬の健康診断時の血液検査からGOT,GPT等の急激な上昇と,動悸,倦怠感が見られた.雪茶の摂取を中止後,これらの血液検査値は回復しつつある.
・娘は11月に入り急激な食欲減退とともに体重減少が見られ,12月上旬に医療機関を受診したところ,血液検査からGOT,GPT等の上昇と黄疸が見られた.その後の摂取中止と入院,加療によりこれらの血液検査値は回復しつつある.
・親子とも,ウイルス性肝炎,自己免疫性肝炎等を示唆する検査は陰性であり,当該製品の摂取中止後,肝機能の改善が見られていることから,当該品の摂取による肝障害であることが疑われた.
・福岡県において,フェンフルラミン,N─ニトロソフェンフルラミン,シブトラミン,脱N─ジメチルシブトラミン,マジンドールの分析をしたところ,いずれの製品からもこれらの医薬品成分は検出されなかった.
(雪茶の概要)
製品名には,雪茶(ゆきちゃ,せっちゃ),Snow Tea,Xue Cha等が用いられ,中国雲南省西北地方(チベット)の高原に生息している地衣類であるムシゴケ(学名:Thamnolia vermicularis Ach.)を乾燥させたもの.生のものは白色で約7cmの細長い管状の形態をしている.中国では,古くから生薬やお茶として利用されている.
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