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第1019号(平成16年2月20日) |

帝京大学医師会長 冲永 荘一

帝京大学医師会は,会員の福利・厚生や知識・技術の向上,その他を目的として平成七年十二月一日に設立され,会員数は昨年十二月一日現在,二百六十九名である.“その他”と記したのは,本学の理念である“社会に開かれた大学”すなわち「実学」が大学医師会の設立理念とも密接に結びついているからである.
医療が社会のニーズに応じて変遷・進歩してゆくなかで,大学病院は教育・研究ばかりでなく,社会のリアルタイムの要求にも鋭敏に反応していかなければならない.平成十六年にスタートする新臨床研修制度の背景にも,プライマリケアをかかりつけ医や家庭医にのみに任せるのでなく,すべての医師が初期診療で適切な対応ができるような教育を,社会が大学病院にも求めている現実がある.
医療を支える資源がますます限られてゆく困難な状況のなかで,高度・先進医療を進める一方で,プライマリケア医を養成してゆくには難しい舵取りが必要になる.帝京大学医師会は医学部と密接に連携しながら,この両者の均衡をとることで二十一世紀の医療を支え,国民の健康を守ることを目指して,さまざまな活動を今後も展開してゆく方針である.
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