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第1027号(平成16年6月20日) |
日医各種委員会報告書

【病院委員会審議報告】
新医師臨床研修のあり方などを検討
病院委員会(大道久委員長)は,諮問「地域における臨床研修と医療連携の推進について」報告書をまとめた.
内容は,次のとおり.
(一)新医師臨床研修制度の運用のあり方について,(1)臨床研修病院群の構築のあり方(2)研修医の採用とマッチング制度の運用(3)研修医の処遇―研修医手当ての運用と就業時間(4)指導医のあり方と指導医手当て(5)研修プログラム(特に地域保健・医療)と研修評価(6)残された課題
(二)今後の地域医療における医師確保について,(1)新医師臨床研修制度の医師確保に及ぼす影響(2)今後の大学病院と地域の臨床研修病院のあり方(3)医師の地域偏在と今後の対応策(4)医師数の診療科間格差とその調整(5)今後の医師数問題の課題
(三)今後の地域医療における連携体制のあり方について,(1)病床区分の結果(2)「一般病床」の機能分化と急性期医療のあり方(3)「一般病床」が受け入れる急性期医療以外の医療ニーズ(4)有床診療所と今後の地域医療(5)今後の「療養病床」の運用と介護保険との関係(6)病院の外来医療の今後のあり方と病診連携(7)超高齢社会における施設・在宅の役割分担のあり方.
(四)医療計画の今後の運用について,(1)病床区分後の病床規制と基準病床の見直し(2)地域における機能分担に向けた医療計画の運用
【医事法関係検討委員会答申】
終末期医療の法的問題を議論
医事法関係検討委員会(赤倉昌巳委員長)は,諮問「終末期医療をめぐる法的諸問題について」答申をまとめた.
答申は,I 問題点の整理,II 法律上の検討,III 答申の結論,IV 提言で構成され,終末期医療に携わる医療関係者がおかれているわが国の現状をあらためて見つめ直したうえで,医師が現時点で認識しておくべき法的問題点と対処方法について,提言を試みている.
IIIでは,終末期医療を「狭義の終末期医療」と「広義の終末期医療・延命医療」に分け,特に,後者については,延命医療の中止・差し控えを検討するにあたり,患者の意識の有無と意思表示の可能・不能により場合分けをし,「備えるべき要件」を挙げている.
IVでは,本委員会の検討結果に沿った医療を行うために必要な環境整備として,(1)法的整備(2)施設ガイドライン,地域医師会ガイドラインの作成(3)専門学会による代表的な疾病ごとのガイドラインの作成(4)倫理委員会の設置・充実(5)終末期のあり方に対する国民的共通認識の醸成を,それぞれ提言している.
また,報告書の末尾には,本答申の作成にあたり基礎資料として参考にした文献の要約と,最新の貴重な外国文献を委員会委員が邦訳し,参考資料として添付されている.
【医療関係者対策委員会報告書】
准看護師養成の活性化を考察
医療関係者対策委員会(千野直一委員長)は,諮問「准看護師養成の活性化方策及び医療関係職種の業務のあり方と医師との関係」について報告書をまとめた.
准看護師養成の活性化方策については,まず,日医の准看護師制度・養成に関する基本的姿勢と看護の三層構造について触れ,次いで,看護師・准看護師養成の今日に至るまでの歴史的経緯を振り返りながら,現在の制度・運営上の問題点等について述べている.
報告書では,「准看護師養成は危機的状況に至ったとさえ危惧される状況である」との現状認識を示すとともに,「准看護師養成を維持していくための対策は日本医師会以外には期待できない.その対策は急を要し,また大きなインパクトを持つものでなくてはならない」とし,(1)会長に求められる活動,(2)担当理事による多方面への広報活動,(3)准看護師養成所の諸条件の緩和―などについて述べている.
日医会長による強固な信念の対外的表示と対政府・対看護協会対策が必要であり,厚生労働大臣に対しては,准看護師の必要性について公式に再表明するよう求め,日本看護協会とも,看護体制を含めた日本の医療の構築について対話を行うべきであるとしている.
医療関係職種の業務のあり方と医師との関係については,臨床検査技師・衛生検査技師法改正問題と,ホームヘルパー等の医療行為についてまとめられている.
【国民生活安全対策委員会報告書】
国民生活安全情報の収集,提供,評価について
国民生活安全対策委員会(小澤明委員長)は,諮問「国民生活安全情報の収集,提供及び評価に関するシステムの具体化」について,「日本医師会による国民生活安全対策システム」として報告書をまとめ,答申を行った.
この報告書では,医師会員は,国民の安全に係わる情報の受信と発信の要であり,以下の重要な役割を担っているとしている.
(1)日常の診療活動を通じて,患者の状態や相談内容から対策が必要な情報を得て,日医に提供する.
(2)日医がその情報について検討,解析し,作成した報告を患者や地域住民に説明し,適切に対処する.
(3)日医の安全対策諸活動に対する評価を行ってその改善,機能向上に寄与する.
内容は,(一)情報の収集,(1)情報収集のあり方(2)診療の現場からの情報提供の推進,(二)情報の解析,(1)情報の整理と蓄積(2)情報の選択(3)情報の検証(4)報告書作成,(三)報告の伝達,(1)安全白書(2)刊行物(3)ホームページ(4)啓発活動(5)報道発表,(四)活動の評価,(1)評価の目的(2)評価の主体,時期(3)改善,(五)組織,(1)国民生活安全対策委員会(2)国民生活安全対策委員会の業務,おわりに―である.
【救急災害医療対策委員会報告書】
救急医療・災害医療のあり方を検討
救急災害医療対策委員会(小林国男委員長)は,「二十一世紀における日本の救急医療・災害医療のあり方」の諮問を受け,次のとおり報告書をまとめた.
I.救急医療のあり方:「医師,医師会は,救急医療にどのように関わるべきか」
(一)二次救命処置に関する教育のあり方,(1)日本医師会によるACLS教育の意義(2)わが国におけるACLS教育の整合(3)ACLSの実施及びその教育に関する環境整備,(二)病院前救護体制のあり方,(1)医師による病院前救護体制(2)救急救命士等に対するメディカルコントロールのあり方,(三)医師会の救急医療体制への関わり,(1)初期,二次救急医療体制(2)三次救急医療体制:救急救命センターのあり方(3)小児救急医療体制
II.災害医療のあり方:「医師,医師会は,災害医療にどのように関わるべきか」
(一)大規模災害時における医師会活動の充実,(1)医師会医療救護班(2)圏域を超えた災害時医療救護協定の締結(3)後方支援(4)危機管理と情報システム,(二)医師会員に対する教育,訓練
別添として,「日本医師会ACLS(二次救命処置)研修」要綱概要(案),「日本医師会ACLS(二次救命処置)研修」要綱(案)が付帯されている.
【公衆衛生委員会答申】
地域と密着した医療提供体制の確立を
公衆衛生委員会(菊池辰夫委員長)は十回の委員会を開催して「かかりつけ医を中心とした地域医療提供体制のあり方」について検討を重ね答申した.
内容は,地域医療提供体制の課題に対して,どのように第一線の医師,そして地域の医師会が取り組むのかについてであり,(一)具体的な地域医療提供体制の整備として,(1)周産期医療(2)成育医療(3)成人医療・高齢者医療(4)産業保健(5)「がん」(6)感染症対策(結核,SARS,バイオテロ含む)(7)在宅医療(8)精神保健福祉対策(9)救急医療―のそれぞれと地域医療提供体制,(二)かかりつけ医と地域医療提供体制,(1)地域包括保健・医療システム(2)地域医療情報ネットワークの整備―である.
おわりに,地域医師会はかかりつけ医の集合体であり,地域医師会にも新しい将来を志向する展開と活動が求められているとして,具体的には地域の保健・医療・さらには,福祉を包括する地域医療情報ネットワークの整備,在宅医療を含めた病診連携,また,診診連携を一層緊密化させた医療機能連携体制の構築,産業保健と地域保健の有機的整合,新興感染症への対応等を掲げている.
そして,地域住民の心と一つになって地域医療提供体制の一層の充実に向けて活動することが,今日かかりつけ医と地域医師会に求められている,としている.
また,参考として,委員から提供のあった地域で特徴のある取り組みを紹介している.
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