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第1032号(平成16年9月5日) |
資料版
平成14年度国民医療費の概況
(厚生労働省)

国民医療費の範囲
「国民医療費」は,当該年度内の医療機関等における傷病の治療に要する費用を推計したものである.この額には診療費・調剤費・入院時食事療養費・老人訪問看護療養費・訪問看護療養費のほかに,健康保険等で支給される移送費等を含んでいる.
国民医療費の範囲を傷病の治療費に限っているため,(1)正常な妊娠や分娩等に要する費用,(2)健康の維持・増進を目的とした健康診断・予防接種等に要する費用,(3)固定した身体障害のために必要とする義眼や義肢等の費用は含んでいない.また,患者が負担する入院時室料差額分,歯科差額分等の費用は計上していない.
結果の概要
1.国民医療費の状況
平成14年度の国民医療費は31兆1,240億円,前年度の31兆3,234億円に比べ1,994億円,0.6%の減少となっている.
国民一人当たりの医療費は24万4,200円,前年度の24万6,100円に比べ0.8%減少している.
2.制度区分別国民医療費
制度区分別にみると,医療保険等給付分は13兆9,855億円(構成割合44.9%),老人保健給付分は10兆6,652億円(34.3%),公費負担医療給付分は1兆7,218億円(5.5%)となっている.また,患者負担分は4兆7,515億円(15.3%)となっている.
対前年度増減率をみると,国民健康保険分は0.6%の増加,被用者保険分は2.8%の減少,老人保健給付分は0.9%の減少となっている.
3.財源別国民医療費
国民医療費31兆1,240億円のうち,保険料分は16兆762億円(51.7%),公費分は10兆2,727億円(33.0%)となっている.
4.診療種類別国民医療費
診療種類別にみると,一般診療医療費は23兆9,113億円(76.8%),そのうち入院医療費は11兆5,149億円(37.0%),入院外医療費は12兆3,963億円(39.8%)となっている.また,薬局調剤医療費は3兆6,042億円(11.6%),歯科診療医療費は2兆5,882億円(8.3%),入院時食事医療費は9,846億円(3.2%)となっている.
対前年度増減率をみると,一般診療医療費は2.1%の減少,歯科診療医療費は0.6%の減少,薬局調剤医療費は10.2%の増加となっている.
5.年齢階級別国民医療費
年齢階級別にみると,0〜14歳は2兆1,495億円(6.9%),15〜44歳は5兆843億円(16.3%),45〜64歳は8兆6,362億円(27.7%),65歳以上は15兆2,540億円(49.0%)となっている.
国民一人当たりの医療費をみると,65歳未満は15万2,900円,65歳以上は64万5,600円となっている.一般診療医療費の国民一人当たり医療費をみると65歳未満は11万3,000円,65歳以上は51万5,400円となっている.歯科診療医療費の国民一人当たり医療費をみると,65歳未満では1万8,400円,65歳以上では2万8,700円となっている.
6.傷病分類別一般診療医療費
一般診療医療費を主傷病による傷病分類別にみると,「循環器系の疾患」5兆3,625億円(22.4%)が最も多く,次いで「新生物」2兆7,189億円(11.4%),「呼吸器系の疾患」2兆436億円(8.5%),「精神及び行動の障害」1兆7,667億円(7.4%),「尿路性器系の疾患」1兆6,898億円(7.1%)となっている.
65歳未満と65歳以上のそれぞれ上位5傷病の構成割合をみると,65歳未満では「循環器系の疾患」,「呼吸器系の疾患」,「新生物」の3傷病で34.0%であるのに対し,65歳以上では「循環器系の疾患」が32.6%を占めている.
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