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第1048号(平成17年5月5日) |

橋本常任理事
行政処分医師の再教育と「地域保健・医療」研修について見解を示す

橋本信也常任理事は,四月十二日の定例記者会見で,(一)行政処分を受けた医師に対する再教育,(二)新医師臨床研修制度における「地域保健・医療」研修―について,それぞれ説明を行った(写真).
橋本常任理事は,まず,(一)について,厚生労働省の「行政処分を受けた医師に対する再教育に関する検討会」が,三月三十日に,行政処分を受けた医師に再教育を義務付けるとした報告書を発表したことを受け,日医として,こうした医師の再教育に,積極的に取り組みたいとの姿勢を,改めて強調した.
橋本常任理事は,昨年十一月に行った定例記者会見(「日医ニュース」第一〇三九号参照)でも示した「臨床研修修了後の医師教育の三カテゴリー」(図)中の「行政処分を受けた医師」への再教育が,倫理研修と技術研修に区分されたことに触れ,この再教育における「助言指導者」の役割の重要性を指摘.日医もこの養成に協力したいとした.
さらに,同カテゴリー中の「いわゆるリピーター医師」への再教育については,日医が,プロフェッショナルオートノミー(医師の職業的自律性)を果たさねばならない責務と考えており,一定の基準を作成のうえ,本年度中の開始に向けて準備中であることを明らかにした.
また,(二)に関して,「昨年一年間,順調に進行してきた新医師臨床研修制度の二年目研修である『地域保健・医療』研修こそ目玉であり,医学教育に携わってきた者たちの悲願であった」と述べた.しかし,へき地・離島診療所,中小病院,診療所,保健所,血液センター,介護老人保健施設,各種健診施設等の「臨床研修協力施設」から,研修医が適宜選択して一〜三カ月行うとされているため,研修内容について,注意を促した.
また,昨年四月時点での「臨床研修協力施設」二千五百十九施設中,診療所等の医療機関は千三百十三(五二・一%)であるから,受け皿は十分であるとし,日医および都道府県医師会が,これまでに「指導医のための教育ワークショップ」を二十二回開催,九百六十八名の会員が研修指導医の修了証を取得していると説明.「地域の中小病院や診療所へ行ってこそ,高度先進医療とは別の医療の存在を知り得るのではないか」と述べた.
「臨床研修協力施設」でプログラムの鍵を握る研修病院長や研修管理委員会等は,地域医師会と連携して,二年目研修医が,地域の診療所・中小病院等で,実のある,真の地域医療の研修ができるようにしてほしいとの期待を示した.
図 臨床研修修了後の医師教育の3カテゴリー |
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