日医ニュース
日医ニュース目次 第1048号(平成17年5月5日)

中医協 薬価専門部会
薬価制度全般を見直しへ

中医協 薬価専門部会/薬価制度全般を見直しへ(写真) 中医協薬価専門部会が,四月二十日,厚生労働省で開催され,現行の薬価制度全般の見直しに向けた議論を開始することを決定した.
 三月九日に行われた中医協総会では,高脂血症用剤の価格が諸外国に比べて高くなっていることが問題となり,一部規格で薬価収載が見送りとなった.これを受けて,診療・支払両側からは,早期に薬価専門部会を開催して,薬価算定ルールの見直しに向けた議論を開始するべきだとの意見が出されていた.
 当日は,現行の薬価基準制度ならびに今後の検討の進め方(案)について,厚労省事務局より説明があった後,意見交換が行われた.
 そのなかで,松原謙二常任理事は,総会で薬価収載を見送った経緯について,「ルールどおりに申請した製薬企業に迷惑をかけるつもりはまったくない.薬価が不当に高くなることによって,国民の財産が減らされることは見過ごすことができなかった」と説明した.
 一方,櫻井秀也副会長は,「これまでも,外国平均価格調整のほか,原価計算方式についても,その問題点を再三指摘してきた.今回は部分的な見直しではなく,現行の薬価制度全般の見直しに向けた議論をすべきである」と主張.支払側もこれに同調した.
 これにより,今後は,まず,「外国平均価格調整の調整方法」「医師主導の治験により開発された医薬品の価格設定の在り方」について,薬価算定組織で議論し,その結果を報告してもらうとともに,抜本的な改革についても並行して議論していくこととなった.
 次回は,医薬品産業の現状ならびに日本でのフラットプライスの意味合いなどについて,専門委員から意見を聞く予定.

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