日医ニュース
日医ニュース目次 第1049号(平成17年5月20日)

社会保障審議会医療部会
人員配置標準の在り方等について討議

社会保障審議会医療部会/人員配置標準の在り方等について討議(写真) 社会保障審議会医療部会(部会長:鴨下重彦社会福祉法人賛育会病院長)が,四月二十七日,厚生労働省で開催され,日医から土屋・三上裕司両常任理事が出席した.
 当日の議題は,(1)医療を担う人材の確保と資質の向上(2)へき地医療提供体制の確保(3)人員配置標準の在り方について,他であった.
 各委員からは,(1)については,「大学病院での臨床研修のあり方」「行政処分を受けた医師への再教育における助言指導者の役割」「人格・適性等によっては臨床現場からの退場や保険医取り消し等の徹底的な処分が必要」等の発言が,また,(2)については,「拠点病院など生易しいものでなく具体的に医療機関の指定を」「“医療特別区”として診療報酬面での優遇措置を」「へき地診療所を守るには支援強化が必要だが,診療報酬上の措置では患者自己負担が増えるので,税で負担すべき」等の意見が出された.
 (3)に対して,土屋常任理事は,「医師の人員配置標準は,昭和二十三年の医師法制定当時の疾病構造等を反映しており,無意味ではなかったのだろうが,現在では極めて現実離れしているのも事実である.医療法(第二十五条)に基づく立入検査結果は,医師配置標準に対する遵守率が,平成十四年の七五%から平成十五年には八一・三%に向上しているが,これは例の名義の貸し借りが影響していて実態にそぐわないのではないか.地域医療では,医師不足や新医師臨床研修制度による医師の引き上げ等で,医療の適切な提供ができない状況で,病院から有床・無床診療所への移行が増え,地域医療の崩壊につながりかねないと聞く.地域の実情に沿って,身の丈に合った人員配置標準を選択できるように,いくつかの段階を設けてほしい.病床区分等を残しておいて,それ以外を撤廃するわけにはいかないだろう」と述べた.
 一方,三上常任理事は,「医療は労働集約型であり,もう少し手厚い配置をといっても人件費の問題があり,現在の診療報酬では無理だ」と指摘.さらに,「人員配置標準は,一〇〇%診療報酬とリンクするとの前提で議論すべき.また,入院とは違い,外来の人員配置を決めること自体,現実的でなく,ナンセンスではないか.スタッフ数の開示は必要だが,基準以下は`標準以下aとのレッテルを貼ることに問題がある」と述べた.

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