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第1057号(平成17年9月20日) |
資料版
平成15年度国民医療費の概況(厚生労働省)

国民医療費の範囲
「国民医療費」は,当該年度内の医療機関等における傷病の治療に要する費用を推計したものである.この額には診療費,調剤費,入院時食事療養費,訪問看護療養費のほかに,健康保険等で支給される移送費等を含んでいる.
国民医療費の範囲を傷病の治療費に限っているため,(1)正常な妊娠や分娩等に要する費用,(2)健康の維持・増進を目的とした健康診断・予防接種等に要する費用,(3)固定した身体障害のために必要とする義眼や義肢等の費用は含んでいない.また,患者が負担する入院時室料差額分,歯科差額分等の費用は計上していない.
結果の概要
1. 国民医療費の状況
平成15年度の国民医療費は31兆5,375億円,前年度の30兆9,507億円に比べ5,868億円,1.9%の増加となっている.
国民一人当たりの医療費は24万7,100円,前年度の24万2,900円に比べ1.8%増加している.
国民医療費の国民所得に対する割合は8.55%(前年度8.55%)となっている.
国民医療費と対国民所得比の年次推移 |
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2. 制度区分別国民医療費
制度区分別にみると,医療保険等給付分は14兆1,032億円(構成割合44.7%),老人保健給付分は10兆6,686億円(33.8%),公費負担医療給付分は1兆8,206億円(5.8%)となっている.また,患者負担分は4兆9,451億円(15.7%)となっている.
対前年度増減率をみると,国民健康保険分は8.9%の増加,患者負担分は8.0%の増加,被用者保険分は5.6%の減少となっている.
制度区分別国民医療費 |
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3. 財源別国民医療費
財源別にみると,国民医療費31兆5,375億円のうち,保険料分は15兆8,225億円(50.2%),公費分は10兆7,468億円(34.1%)となっている.
財源別国民医療費 |
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4. 診療種類別国民医療費
診療種類別にみると,一般診療医療費は24兆931億円(76.4%),そのうち入院医療費は11兆7,231億円(37.2%),入院外医療費は12兆3,700億円(39.2%)となっている.また,薬局調剤医療費は3兆8,907億円(12.3%),歯科診療医療費は2兆5,375億円(8.0%),入院時食事医療費は9,815億円(3.1%)となっている.
対前年度増減率をみると,一般診療医療費は1.2%の増加,薬局調剤医療費は10.2%の増加,歯科診療医療費は1.9%の減少となっている.
診療種類別国民医療費 |
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5. 年齢階級別国民医療費
年齢階級別にみると,0〜14歳は2兆316億円(6.4%),15〜44歳は4兆8,602億円(15.4%),45〜64歳は8兆7,633億円(27.8%),65歳以上は15兆8,823億円(50.4%)となっている.
国民一人当たりの医療費をみると,65歳未満は15万1,500円,65歳以上は65万3,300円となっている.一般診療医療費の国民一人当たり医療費をみると65歳未満は11万1,400円,65歳以上は51万7,500円となっている.歯科診療医療費の国民一人当たり医療費をみると,65歳未満では1万7,900円,65歳以上では2万8,200円となっている.
6. 傷病分類別一般診療医療費
一般診療医療費を主傷病による傷病分類別にみると,「循環器系の疾患」5兆3,039億円(22.0%)が最も多く,次いで「新生物」2兆9,724億円(12.3%),「呼吸器系の疾患」2兆766億円(8.6%),「精神及び行動の障害」1兆8,281億円(7.6%),「尿路性器系の疾患」1兆7,882億円(7.4%)となっている.
65歳未満と65歳以上のそれぞれ上位5傷病の構成割合をみると,65歳未満では「循環器系の疾患」,「呼吸器系の疾患」,「新生物」の3傷病で35.5%であるのに対し,65歳以上では「循環器系の疾患」が31.1%を占めている.
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