日医ニュース
日医ニュース目次 第1059号(平成17年10月20日)

第113回日本医師会臨時代議員会
植松会長「国民と共に,負担増を阻止」

 第113回日本医師会臨時代議員会が,10月2日に日医会館で開催された.全国から341名(定数342名)の代議員が出席し,一般会計予算補正の件,決算の件など6議案が審議され,可決成立した.なお,質疑のなか,植松治雄会長が来期続投の意思を表明した.

第113回日本医師会臨時代議員会/植松会長「国民と共に,負担増を阻止」(写真) 午前九時三十分,内藤哲夫代議員会議長の開会宣言,あいさつの後,議席の指定,定足数の確認,議事録署名人二名の指名と議事運営委員会委員八名の紹介が行われた.
 次に,植松会長が,別掲別記事参照のとおり所信を表明.つづいて,櫻井秀也副会長が,平成十七年四月以降の会務報告を行い,議事に移った.
 まず,第一号議案「平成十七年度日本医師会一般会計予算補正の件」,第二号議案「平成十七年度日医総研事業特別会計予算補正の件」を一括上程,伯井俊明常任理事の提案理由説明後,予算委員会に審議を付託した.
 さらに,第三号議案「平成十六年度日本医師会一般会計決算の件」,第四号議案「平成十六年度医賠責事業特別会計決算の件」,第五号議案「平成十六年度日医総研事業特別会計決算の件」,第六号議案「平成十六年度治験促進センター事業特別会計決算の件」を一括上程,伯井常任理事の提案理由説明後,決算委員会に付託し,代表質問と個人質問に入った.

代表質問

 ブロック代表質問(八件)への執行部の回答は以下のとおりである.
 柳内嘉代議員(東京ブロック)の新しい高齢者医療保険制度と次期診療報酬改定についての質問には,植松会長が,「高齢者医療保険制度は,コンセンサスを得られる保険料負担のあり方等を検討すべきである」と回答.さらに,医療の安全・質の確保のためにも,市場原理による医療費抑制,患者負担増に対しては,従来以上に強力に反対していくと強調した.
 日医執行部の決意を問う田中忠一代議員(関東甲信越ブロック)の質問には,植松会長が,「引き続き会務を担当させていただければ,できる限り努力する覚悟である」との意思を明らかにした.
 医療保険と介護保険の給付調整に係る現状の問題点を問う山鳥嘉彦代議員(近畿ブロック)の質問には,櫻井秀也副会長が,根本的な解決には,両制度の給付対象を区別するような「新しい制度設計」が必要だと回答.
 梅田俊彦代議員(中部ブロック)の少子化対策―日医はキャンペーンを―との問いには,宮崎秀樹副会長が,今後の課題は,対策の具体的な実行であり,一層積極的に推進していくとしたほか,キャンペーンについては,広報活動のなかで強化すべきとの考えを示した.
 日医への評価と准看護師養成に対する日医の展望についての土井三乙代議員(東北ブロック)の問いには,宮崎副会長が,「一般国民への医師会活動の広報の必要性を実感し,マスコミとの定例的な勉強会等を行っている.准看護師養成制度存続の方針は,従来どおり,変更はない」と回答した.
 中川俊男代議員(北海道ブロック)からの日医の政策決定に関する質問には,寺岡暉副会長が回答.新しい高齢者医療保険制度に関する日医案は,皆保険を堅持するなかで,財源を自助・共助・公助に求めているとし,混合診療問題については,医療上必要なものは保険導入されるべきだと述べた.
 次期医療制度改革における日医と都道府県医師会のあり方を問う池田秀夫代議員(九州ブロック)の質問には,寺岡副会長が,「安心・安全な医療提供には医療費の拡大が必要であり,公的給付の守備範囲の縮小は絶対あってはならないと,あらゆる協議の場で主張していきたい.都道府県医師会の役割が一層重要となるので,さらなる協力をお願いする」と要請した.
 藤原淳代議員(中国四国ブロック)の「医療改革は医師会の手で」との問いには,櫻井副会長が,日医が考える「医療改革」について,堂々と言及していきたいとし,『生涯を通じた医療と保健と福祉―推進ビジョン五カ年計画―』を作成中であることを明らかにした.

個人質問

 午後一時四十分,個人質問(十六件)に入る.
 (1)清水美津子代議員(東京都)「女性医師の医師会活動への支援,厚生労働省の女性医師バンク」
 (2)小笠原真澄代議員(秋田県)「女性医師の登用および代議員会の構成について」
 (3)山内英通代議員(岐阜県)「女性医師問題などの取り組みについて」
 (4)和田耕馬代議員(滋賀県)「医賠責および医療事故について」
 (5)稲倉正孝代議員(宮崎県)「医療法第十三条および有床診療所入院基本料について」
 (6)吉野俊昭代議員(愛媛県)「介護保険施設の食費について」
 (7)山博代議員(埼玉県)「健康診断の有効性について」
 (8)池田哉代議員(鹿児島県)「日本医師会の少子化・子育て支援対策について」
 (9)竹内守代議員(北海道)「地方の医師不足について」
 (10)原中勝征代議員(茨城県)「今度こそ国民と一体となって社会保障について戦うとき」
 (11)宝住与一代議員(栃木県)「ORCAプロジェクトについて」
 (12)石井正三代議員(福島県)「国民保護法と医師会活動について」
 (13)横倉義武代議員(福岡県)「医師資格と日医生涯教育制度」
 (14)伯野中彦代議員(千葉県)「医療費未納について」
 (15)森洋一代議員(京都府)「医師会活動の活性化に対する提言」
 (16)武久一郎代議員(徳島県)「地域医師会の活性化について」
 なお,詳細は,「日医白クマ通信」ならびに「日医雑誌」十二月号別冊参照.

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