第1075号（平成18年6月20日）

中医協（5月24日）
ニコチンパッチが薬価収載

　中医協診療報酬基本問題小委員会ならびに総会が，五月二十四日，厚生労働省で開催され，竹嶋康弘副会長，鈴木満・飯沼雅朗両常任理事が出席．
　小委員会の議題は，（一）DPC，（二）手術に関する施設基準，（三）「自宅以外の多様な居住の場」における在宅医療の推進―についてであった．
　（一）では，DPC評価分科会の西岡清分科会長から，「平成十七年度DPC導入の影響評価に関する調査及び評価について」として，DPC対象病院・試行的適用病院・調査協力病院の計三百七十二病院に対して実施した六つの調査結果（(1)七月から十月までの退院患者に係る調査(2)診断群分類の妥当性に関する調査(3)再入院調査(4)医療連携と退院後受療に係る調査(5)医療の達成度，患者満足度に関する調査(6)看護の必要度に係る調査）の報告があった．
　竹嶋副会長は，早期退院者の再入院が増えたことを懸念するとともに，医療機関の従事者の満足度調査をも実施するよう要請．
　（二）では，科学的知見が得られていないことから，平成十八年度診療報酬改定でいったん廃止されたが，今般，「手術に係る施設基準等調査分科会（仮称）」を設置し，医療機関における手術件数，医師個人の症例数等と手術成績との関係を調査することとなった．
　（三）は，前回，鈴木常任理事が問題提起した在宅療養支援診療所に関するもの．平成十八年度診療報酬改定で特定施設や特別養護老人ホームの入所者について，「末期の悪性腫瘍患者」に限定して医療保険の適応拡大がなされたが，実際の現場の運用とは異なることで，混乱が生じたため，論点整理（(1)早急に検討すべき事項(2)中長期的に検討すべき事項）が行われた．今後，「末期の悪性腫瘍患者」以外の患者にも適応拡大を図る等の検討を行う．
　総会では，禁煙補助剤「ニコチネルTTS」が六月一日から薬価収載することを了解した．ただし，薬剤料および処方せん料の算定は，「ニコチン依存症管理料の算定に伴って処方された場合」に限定．ニコチン依存症管理料は今回の診療報酬改定で導入されたものであるが，四月以降，“混合診療”になるため算定ができず，現場に混乱が生じていた．