日医ニュース
日医ニュース目次 第1078号(平成18年8月5日)

日医総研だより 01

医療現場を反映した実践的研究を重視

日医副会長 竹嶋康弘(日医総研所長)

日医総研だより/01(写真) 日医総研は,平成9年4月に「人に優しい医療を目指して」を掲げて日医の活動をサポートするために設立され,(1)国民に選択される医療政策を企画立案する(2)国民を中心とする合意形成を作り出していく(3)信頼できる正確な情報を作って提供していく―の3つを達成することを目的として,研究活動を行ってきました.
 会内の各種委員会,都道府県をはじめとした地域医師会と会員の皆様の意見を集約して,日医が政策決定していく過程で,日医総研の研究成果を参考にしています.また,関係省庁,政治の場に持ち上げ,関係者と膝を交えて話をしていくうえで,日医総研独自の継続的な研究とその成果がわれわれの医療政策提言の妥当性を示す力強い後ろ楯となっています.私は,今後も,日医総研の力を一層高めるよう努力し,十分に活用していきたいと考えています.
 日医の活動の原点は,国民の身近にある地域医療の最前線で起こっているさまざまな問題に取り組むことにあります.これらを吸い上げて,日医の医療政策に反映させていかねばなりません.医療において,国民とは,医師が日常診療のなかで接する「患者さん」,そしてその家族の皆様方です.従来の日医総研は研究重視の傾向が強かったように思います.今後は,日医本体との連携を強化するとともに,医療の現場と結び付いた実践的研究を重視してまいります.
 このたび,「日医総研戦略会議」を立ち上げました.医療政策,財政学等の学識経験者,医療に明るい報道機関の論客,そして地域医師会の気鋭の若手会長,副会長の皆様方に委員をお願いいたしました.これは会員とオピニオンリーダーの目線で日医総研の活動を見ていただき,この考え方はおかしいとか,こうしたら違った方向が出てくるのではないか,といった自由なご意見を聞かせていただき,活動に反映させていこうとするものです.日医の政策提言は,国民のためになる,国民に選んでいただけるものでなければならないと考えるからです.日医総研の活動に対して,引き続き会員の皆様のご理解とご支援を賜りたいと存じます.

日医の活動に資する研究を目指して

日医常任理事 今村定臣(日医総研担当)

日医総研だより/01(写真) 今号から日医ニュースで日医総研の活動状況を会員の皆様にお知らせする試みを始めさせていただきます.
 日医総研は日医のシンクタンクですから,日医の活動に資する研究を行うことが使命です.したがって,日々変化する医療情勢に適確にかつ敏速に対応していくことが,何よりも重要です.これからの日医総研の研究活動は,喫緊の課題に対応する短期的研究と基礎体力となる中長期的な研究の両方の均衡を図って推進していきます.各研究員は常に医療政策の動向に関心を持ち,医療政策に係わる議論の動きを注意深く監視する.そして,自分の専攻分野の切り口から情報を収集して,それらを読み込み,分析することが基本的な活動となります.
 「経済優先」「財政優先」の政治手法からの脱却を訴えて,政府や厚生労働省等と対峙して議論を進めるために,日医独自の政策立案能力,意見具申力を高めていくことが必要です.事務局と日医総研が車の両輪として執行部を支え,日医総体として充実を図っていきます.これからも,日医総研に対してご指導,ご鞭撻を賜りたく,よろしくお願い申し上げます.

日医総研だより/01(図)

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