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第1086号(平成18年12月5日) |
第2回日本糖尿病対策推進会議総会
糖尿病対策には,かかりつけ医と糖尿病専門医との連携が不可欠

日医が昨年2月に,日本糖尿病学会,日本糖尿病協会とともに設立した「日本糖尿病対策推進会議」の2回目の総会が,11月22日,日医会館大講堂で開催された.
当日は,地域における取り組み状況の報告があったほか,演者と参加者との間で活発な意見交換が行われた.
今村聡常任理事の司会で開会.冒頭,唐澤 人会長は「生活習慣病,特に糖尿病対策は最重要課題であり,かかりつけ医と糖尿病専門医との連携が不可欠である」とあいさつし,「平成二十年度から実施される健診・保健指導では,各地域の糖尿病対策推進会議の重要性が増すだろう」と本会議の果たす役割を強調した.
次に,三団体より,「糖尿病対策の推進について」の発言がなされた.
日医からは,今村(聡)常任理事が,各都道府県で糖尿病対策推進会議の設置された所は四十三カ所,未設置だが何らかの事業をしている所が四カ所となり,取り組みをしていない所はゼロになったと報告した.また,保険者に義務付けられる新たな健診・保健指導については,糖尿病対策推進会議の活用を推進するとともに,来る十二月二十日に「健診・保健指導の指導者研修会」を日医会館大講堂で開催する予定だとした.
春日雅人日本糖尿病学会理事長は,推進会議の目標とする三つの柱,(一)受診勧奨と事後指導の充実,(二)糖尿病管理の徹底,(三)病診連携の向上─について,各地の取り組み状況を概説し,「かかりつけ医は,専門医を利用して欲しい」と述べた.
清野裕日本糖尿病協会理事長は,一般市民への普及啓発,マスメディアの活用,小児一型糖尿病への取り組み─などを説明した. つづいて,各地からの事例報告に移り,戸谷理英子岐阜県医師会常務理事は,「岐阜県における糖尿病対策推進の取り組み」として,岐阜県糖尿病対策推進協議会が平成十七年に設立され,参加各団体の自主性を尊重しながら,ネットワークを構築していることを紹介.専門医のいなかった恵那地区で,平成十五年に「恵那プロジェクト」を立ち上げ,糖尿病予防教室を実施.健診受診者のうちHbA1c五・五〜六・〇%で,同意の得られた住民百八十二名を対象に個別指導を行ったところ,一年後にHbA1cが六・一%以上へ移行した人を一三%に抑えられた.これらの結果を踏まえて,糖尿病予備軍対策マニュアルを作成するなど,成果を上げていると報告した.
土井邦紘京都府糖尿病対策推進事業委員会副委員長は,「糖尿病対策推進事業の現況とこれからの展開」として,京都糖尿病医会では,医師の研修を最優先とし,順次,コメディカル,府民へと事業を広げていく方針であると説明した.また,かかりつけ医と専門医の連携強化を図るため,紹介状と逆紹介状の書式を作成.紹介患者を診た専門医が,病勢が安定するなど可能になったら,逆紹介状をつけてかかりつけ医の元に返すことができるシステムにより,地域との連携を行っているとした.
武久一郎徳島県医師会副会長は,「徳島県医師会のとりくみ」で,徳島県は,十三年連続で糖尿病死亡率が全国一位であり,したがって,特に,小児期からの生活習慣病予防対策に積極的に取り組んでいることを紹介.県医師会学校医部会内に「生活習慣病予防対策委員会糖尿病対策班」を置き,医療機関向けには,研修会の開催,糖尿病診療の早期介入マニュアルの配布,糖尿病レターによる情報提供等を,一般向けには,「糖尿病『緊急事態』宣言」のポスター等で啓発を行っている.また,徳島県保険者協議会と県医師会との連携がスムーズであることも併せて報告した.
小林正富山大学附属病院長は,「厚生労働科学特別研究事業『かかりつけ医による二型糖尿病診療を支援するシステムの有効性に関する研究(J-DOIT2)』について」と題する講演を行った.
わが国の糖尿病患者七百四十万人のうち,半分の三百七十万人しか治療を受けておらず,治療中断率は五〇%である.この二型糖尿病の治療中断率を,介入によって改善できるかどうかを調査するのが,本研究事業の主目的である.現在パイロット研究中であり,三十医師会で本試験に入る予定であることを明らかにした.
質疑応答では,コメディカルとの連携,検査の標準化と精度管理,かかりつけ医の糖尿病診療水準の向上,統一スライドの作成─などについて,活発な意見交換が行われた.
最後に,岩砂和雄副会長が,「予防重視の観点から,地域の実情に合った取り組みをお願いしたい」とあいさつして,会議は終了した.
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