日医ニュース
日医ニュース目次 第1106号(平成19年10月5日)

中医協(9月19日)
次期改定に向けた検討項目とスケジュールが公表される

中医協(9月19日)/次期改定に向けた検討項目とスケジュールが公表される(写真) 中医協総会・保険医療材料専門部会・薬価専門部会が,九月十九日,厚生労働省で開催された.
 総会では,新医薬品(九成分,十四品目)の薬価収載,先進医療専門家会議の科学的評価結果報告(三件)について審議を行い,中医協としてこれらを承認するとともに,医療機器の保険適用(五十二件)について報告を受けた.また,十月一日から保険適用される予定のカプセル型内視鏡については,高額な医療機器であることから,DPCによる包括評価の対象外とし,出来高で算定することが了承された.
 その後,事務局より平成二十年度診療報酬改定に向けた,検討スケジュール案が示された.
 具体的な診療報酬点数にかかる調査・審議は,年明け以降に厚生労働大臣からの諮問を受けてから行われることとなるが,中医協においても,平成二十年度診療報酬改定を視野に入れ,基本問題小委において週二回程度検討を行う.
 十月には,入院医療,産科医療・小児医療・救急医療にかかる評価,がん対策の推進,後期高齢者医療の診療報酬,後発医薬品使用促進のための環境整備,訪問看護─等について,十一月には,勤務医の負担軽減策,初診料・再診料の体系等の外来医療にかかる評価,有床診療所,リハビリテーションにかかる評価,DPC─等について検討することとなった.
 保険医療材料専門部会では,保険医療材料専門組織から保険償還価格算定基準に関する意見が提出された.そのなかでは,(一)内外価格差の是正,(二)イノベーションの評価,(三)機能区分の見直し,(四)一定幅の適正化,(五)保険医療材料専門組織への初回における製造販売業者の出席と意見表明─が提案された.「一定幅の適正化」について,保険医療材料専門組織としては引下げの方向であることが確認された.
 この後,三人の専門委員から,おのおの保険医療材料制度に関し意見が述べられた.質疑では竹嶋康弘副会長が,内外価格差の是正について,外国価格データの収集が必要であると述べたのに対し,専門委員は,業界として信頼性のあるデータは提示したいと応じた.当日の意見を参考に,今後議論を進めることとなった.
 薬価専門部会では,薬価制度の見直しの論点として,イノベーションの評価,市場拡大再算定のあり方が検討された.検討に当たって,事務局から主要検討事項関連資料が示され,説明を受けた.
 イノベーションの評価では,有用性加算(II)の加算要件として,「臨床上有用な新規の作用機序」を加える案が提示された.また,類似薬効比較方式の比較薬については,あまりにも古い医薬品を対象とすることに疑問を呈する意見があった.
 飯沼雅朗常任理事は,市場拡大再算定における真の臨床的有用性の検証に基づく補正加算に関連して,後発医薬品についても先発医薬品と同様に市販後調査を実施すべきであり,その際にはメーカー主導で行うべきと発言した.
 今後は,採算性に乏しい医薬品,後発医薬品の使用促進,その他について検討が行われることになっている.

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