日医ニュース
日医ニュース目次 第1111号(平成19年12月20日)

日医定例記者会見

11月21日
混合診療の解禁には絶対反対

 中川常任理事は,十一月七日に東京地裁で混合診療に係る判決が下されて以来,混合診療の対応について,日医が十一月九日に厚生労働省内で行った緊急記者会見「混合診療についての日医の見解」を公表した後も,一部に若干の混乱が見られることから,その内容を改めて説明した.
 日医の見解として,以下の三点を示した.
 (一)本件は,あくまで法解釈についての判決であり,一部報道に見られるように,混合診療の解禁が容認されたかのような解釈は間違いである.
 (二)国が示す,混合診療の禁止の根拠は,「保険医療機関及び保険医療養担当規則」第十八条および,保険外併用療養費制度について定めた「健康保険法」第八十六条の反対解釈としているが,あいまいな点も否めない.
 (三)判決で法律の不備を指摘された以上,国は,混合診療の禁止を法律で明示するべきである.
 さらに,混合診療解禁の問題点を示し,混合診療が解禁された場合に起こる問題として,公的保険給付範囲が縮小する恐れがあり,所得の少ない国民にとっては負担増となる可能性があることを,資料を用いて示した.(図)
 同常任理事は「混合診療の解禁は,格差を助長する恐れがあり,大枠として認めるべきではない.有効性,安全性が確認された医療は個々に検討し,普遍的な医療は必ず保険適用することを国民に保証すべきであり,世界に誇る日本の公的医療保険制度の信頼と信用の失墜を防ぐため,日医は混合診療解禁に断固として反対していく」と締めくくった.

日医定例記者会見/11月21日/混合診療の解禁には絶対反対(図表)

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