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第1112号(平成20年1月5日) |

広報マン

過日,都内のホテルにおいて開催された「国民医療を守る決起大会」に参加された方々はお聞きになったことと思うが,東京都医師会長が,患者さんから届いた一通の手紙の内容を紹介した.
「近年の医療費削減による医療荒廃のため,いかに多くの患者さんたちが困っているか.また,決起集会のような行動を通じて,医師である先生方にも医療制度の改善に,たとえ休診してでも頑張って欲しい,そのためなら次の日に受診を延ばしても我慢します」といった内容であった.
一方,日常診療を通じて患者さんに,本年の四月から後期高齢者医療制度が始まり,保険料を新たに徴収される人たちが発生することや,場合によってはその医療内容が七十五歳までとは異なること,また地方自治体によって長年続けられてきた基本健康診査がなくなることを話しても,ほとんどの方はご存知ない.このように,本当に被害を被り,怒らなければならない方々が,よく知らないのでは,怒ろうにも怒れない現状に突き当たる.
広報と言えば,もちろん良いイメージを持ってもらうことも大切であるが,会内広報を通じ一人ひとりの会員の意識を高め,そしてその会員一人ひとりが広報マンとして,多くの患者さんたちに情報を伝える会外広報を実践するための組織作りが急務だ.医師会という組織は会員一人ひとりの力の上に成り立っているのだから.
(水晶)
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