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第1123号(平成20年6月20日) |
第2回都道府県医師会「公益法人制度改革」担当理事連絡協議会
公益法人制度改革への医師会の対応について講演

第二回都道府県医師会「公益法人制度改革」担当理事連絡協議会が,五月二十九日,日医会館大講堂で開催され,公益法人制度改革に向けた医師会としての対応等について,講演が行われた.
冒頭,あいさつに立った唐澤 人会長は,「本年十二月より施行される公益法人制度改革に向けて,日医としては,今後,具体的な移行作業に取り掛かるとともに,すべての医師会が円滑に法人格を移行出来るよう,都道府県医師会,郡市区医師会とのさらなる連携強化を図りたい」との考えを示した.
つづいて,原山保人内閣府大臣官房審議官が,「新公益法人制度について」と題した講演を行った.
原山審議官は,これまでの法人認定は,主務官庁の裁量で決められていたが,今回の制度改革により,準則主義としたことで,公平性を高めたと説明.
特例民法法人からの公益法人への移行認定の主な基準としては,(一)経理的基礎を有する,(二)技術的能力を有する,(三)特別の利益を与える行為を行わない,(四)収支相償であると見込まれる,(五)公益目的事業比率が五〇%以上であると見込まれる,(六)遊休財産額が制限を超えないと見込まれる─ことなどが必要であると説明した.また,移行認定申請に関する申請書様式は,現在,公益認定等委員会のホームページ上で公開しており,申請の手引きについても,順を追って公開していくとした.
次に,公益法人制度改革に向けた医師会の対応について,羽生田俊・今村聡両常任理事が講演を行った.
羽生田常任理事は,今後取り組むべき課題として,「移行先法人類型の選択」「移行時期の目安とスケジューリング」などがあると指摘した.
「移行先法人類型の選択」では,都道府県医師会,郡市区医師会が目指すべき法人類型について,日医の考えを示した.
「移行時期の目安とスケジューリング」では,定款・諸規程改定検討委員会での検討を経て,早ければ,平成二十一年の日医臨時代議員会にて「定款変更案」の承認を受けた後,申請を行う作業予定を説明.
また,同常任理事は,日医から申請資料の記載内容等を各医師会向けに公開したいとの考えを述べた.
今村(聡)常任理事は,税制および医師会運営施設に係る問題を中心に講演した.
医師会運営施設における税制上の問題として,固定資産税の措置に触れ,看護学校等の固定資産税は,公益社団法人に移行すれば,非課税措置は存続されるが,一般社団法人に移行した場合にも,平成二十五年度までは非課税で,来年以降適切な措置が講じられるとした.また,開放型病院等についての法人税非課税措置については,公益社団に移行した場合,および非営利性を徹底した一般社団等に移行した場合において,一部要件を見直した上で存続となり,事業内容の要件(地域支援病院や学校医事業などを行っていること),収入割合の要件(社会保険診療等の年間収益額が六割超であること)などを満たせば,従来の非課税が存続されると説明した.
今後の課題として,現時点のガイドライン等で明らかになっていない事業(病院,臨床検査所,健診センター等)の公益目的事業としての認定について触れ,医師会が行う当該事業の一般事業者との相違点を各医師会で説明し,公益性をアピールすることが重要であるとした.
最後に,宝住与一副会長が,「今後,制度の全容が明らかになってくると思う.日医としては,引き続き関係省庁と相談しながら,迅速な情報提供と全国の医師会との連携に努めたい」と総括した.
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