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第1129号(平成20年9月20日) |

徳島県医師会長 川島 周

徳島県は,人口十万人当たりの医療施設従事医師数が二百七十・一人と全国平均の二百十七・五人を大きく上回っているが,OECD諸国の平均と比べると,やはり低値であり,県内の多くの病院では医師不足に喘いでいる現状である.この傾向は山間部の公立病院で特に顕著であり,政策医療としても欠かせない産科診療も中止にしている公立病院もある.
徳島県医師会としては,このような悲惨な状況を打破し,地域医療や救急医療体制の確保事業を,医師会としての極めて重要な責務と考えているところである.
そのための医師確保事業として,女性医師の就業支援と若手医師の県内定着促進を二本柱として活動している.
具体的には,子育て中の女性医師や研修医に対し,保育支援を通しての就労支援として,ベビーシッター派遣や保育料の一部負担措置を行う事業を実施することにしている.
また,県内の研修指定病院と共同して,研修医を対象とした集会等を開催し,県内定着の勧誘活動を行っている.
いずれにせよ,開業医と勤務医,また,勤務医予備軍の研修医,さらにその予備軍の医学生との連携は,医師会としての存在基盤であると考え,これらの一体化を企図中である.
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