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第1136号(平成21年1月5日) |

自分がなすべきこと

サブプライムローンに端を発した金融不安は,あらゆる分野に多大な影響を及ぼしている.医療崩壊が叫ばれて久しいが,この世界的危機の陰に隠れてしまうことを恐れる.
相変わらず,「上が何もしてくれない」「下が頼りない」「若手が動かない」「年寄りばかりで機能していない」「政治が悪い」「官僚が悪い」「役員が動かない」「会員が言うことを聞いてくれない」など,愚痴と批判が横行している.
果たしてこれで良くなるのであろうか.だれかが改善してくれると思っているのであろうか.そのようなことでは,結果はどんどん悪くなるばかりではないか.
議論をしていると,よく「役割分担」という言葉が出てくる.しかし,分担という言葉のなかに自分の「分担」が入っていないことが驚くほど多い.
今こそ,だれかが何をしてくれるかではなく,自分に何が出来るか,何をなすべきか,具体的に積み上げていくことが大切ではないだろうか.
国も,組織も,企業も,上から下までこの考えが浸透して,初めて有機的に機能するのではないだろうか.この実現こそが一枚岩になるということではないだろうか.
自らの発言をこれらに照らし合わせ,自分だけが枠の外で愚痴を言っていないかを考えるべきであろう.
不幸は,幸の基となるところ,幸は,不幸の潜みたるところであり,驕(おご)らず,挫(くじ)けず,前向きに自分のなすべきことを考え,実行したいものである.
(T) |