日医ニュース
日医ニュース目次 第1144号(平成21年5月5日)

プリズム

京都桜狂想曲

 葉桜の目に爽やかな新緑の候,本年の桜狂想曲ともいえる京都の花見事情を振り返って紹介したい.
 本年は,三月二十日頃,開花宣言があったが,その後の厳しい花冷えにも恵まれて,満開まで十七日を要したという観測史上最も長いお花見が楽しめることとなった.
 京都では,花だよりとともに,花灯炉(はなとうろ)が寧々(ねね)の道,清水寺に至るまで,ライトアップされ観光客をもてなしている.
 三〜五分咲きであった桜も,四月五日頃より,今まで膨らみつつもためらっていた蕾(つぼみ)が,一挙に爆発的に開花,看護学校の入学式も満開の桜のもとで挙行され,記憶に残る式となった.
 京都には,清水寺を始め多くの桜の名所があり,三千院の桜まで含めると二週間以上,手近にお花見の楽しめる桜都市でもある.
 平安神宮の紅しだれ桜は,やや遅れて開花し,近傍の疎水(そすい)を十石舟で巡りつつ楽しむのもお勧めである.
 つまるところ,京都は,神社仏閣が多く,桜をより愛(め)でるには,その背景,建物,水辺などとのマッチングが重要で,その点でも京都は全国屈指の花見都市であろうと思う.
 思い上がるなとのお叱りも聞こえそうだが,毎年の花見狂騒と交通渋滞を経験しつつ,己を納得させている状況である.
 来年の春は,どうぞ京都へおいでませ.

(元)

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