日医ニュース
日医ニュース目次 第1148号(平成21年7月5日)

日医定例記者会見

6月10日
特別養護老人ホームにおける介護職員の医行為に関する問題について

日医定例記者会見/6月10日/特別養護老人ホームにおける介護職員の医行為に関する問題について(写真) 三上裕司常任理事は,「特別養護老人ホームにおける介護職員の『医行為』に関する問題」について,日医の見解を述べた.
 同常任理事は,同日開催された「第二回特別養護老人ホームにおける看護職員と介護職員の連携によるケアの在り方に関する検討会」の審議内容に関し,特養において看護・介護職員の連携により,「口腔内吸引」および「経管栄養に関する実施準備,経過の観察,終了後の片づけ等」を行うことについては,これらの行為が「医行為」として定義されているかどうかが問題であると指摘.「医行為」ではないことが,厚生労働省通知等により,明確に示されれば,特養利用者の安全を担保するために必要な研修を行ったうえで介護職が実施することで,違法性が阻却されるため問題はないとする日医としての考えを示した.
 そのうえで,そうした定義がきちんと示されないまま,厚労省が提案したモデル事業が実施され,その後,なし崩し的に,その他の「医行為」も,定義があいまいなまま,介護職により医療・介護現場において実施されることには,利用者・従事者の安全を守る側面から反対すると主張した.
 また,六月六日付読売新聞夕刊で,同検討会において検討した後に公表されるべき情報が,事前に報道されたことに触れ,「情報の事前漏洩(ろうえい)は,これまでも再三指摘してきたが,いまだに改善が見られない.このような事態は,情報の操作および検討内容がミスリードされる恐れがある」として,厚労省担当部局に厳重に抗議したことも明らかにした.

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