日医ニュース
日医ニュース目次 第1171号(平成22年6月20日)

日本医師会役員就任披露パーティー
原中会長 心をひとつに国民の生命と健康を守るという使命を果たす

 日本医師会役員就任披露パーティーが六月一日,都内のホテルで開催され,第百二十二回日本医師会定例代議員会で選出された原中執行部が初披露された.パーティーには,与野党の国会議員をはじめ,八百名を超える出席者が集まり,新執行部は祝福と激励を受けた.

日本医師会役員就任披露パーティー/原中会長 心をひとつに国民の生命と健康を守るという使命を果たす(写真1) 午後五時,新役員一同は盛大な拍手に迎えられて登壇し,横倉義武副会長がパーティーの開会を宣言.はじめに,あいさつに立った原中勝征会長は参会者に対して謝意を述べるとともに,新執行部の決意を次のように述べた.「われわれ新執行部は心をひとつに,国民の生命と健康を守ることを使命として,行動を開始している.いつでも国民の味方となり,世界に誇る国民皆保険制度を永久に続けられるような社会を政府与党とともにつくっていく所存である.現在のように,景気が悪く,税収の少ないなかで,医療費を上げていただいたことには感謝するが,日本の医療の崩壊は進んでおり,これを解決するためには,医療費や介護費用の大幅な増額しかないことをご理解いただきたい.われわれは今後も国民の幸せを念頭に使命を果たす所存であるので,皆様方からのさらなるご支援,ご協力をお願い申し上げる」.
 引き続き,司会者より新役員一人ずつの紹介が行われた後,来賓から祝辞が述べられた.

壇上に整列した新役員

 最初に登壇した鳩山由紀夫内閣総理大臣は,「原中会長には自民党政権の時代より,後期高齢者医療制度をはじめ,いろいろな意味でご指導をいただいており,深く感謝申し上げる.日本は世界に誇るべき国民皆保険制度を有しているが,この制度は医療関係者の皆様方が人の生命をしっかりと守っていこうということで必死に守ってこられたものであり,これからも引き続き守っていかなくてはならないものである.自民党政権の社会保障費の削減により,地域の医療崩壊が進み,国民の生命が厳しい方向へと追いやられていたなかで,国民や皆様方のご指導,ご支援により新政権を発足させることが出来,わずかではあるが,診療報酬を引き上げることも出来た.今後も,医師会の先生方と一緒に新しい医療のあり方を勉強させていただき,政策を実行していく所存であるので,引き続き協力をお願いしたい.新しい医師会が,国民の生命を守る政治とともに歩んで行くことを心より祈念して,私からのお祝いの言葉とする」と述べ,新執行部に対する期待感を示した.

鳩山由紀夫内閣総理大臣

 つづいて,江田五月参議院議長が登壇.江田議長は,「私は弁護士資格を持っているが,医療の世界における医療過誤や死因究明の問題,さらには病院の倒産等に対して,法律家と医療現場がコラボレーションすることで,国民のためにすばらしい制度をつくることが出来ると思っている.今後も,医療現場に一番詳しい現場の先生方に,いろいろ教えていただき,国民皆保険制度をしっかり守っていきたいと考えているので,ご協力をお願いしたい」と述べた.
 次に,登壇した谷垣禎一自由民主党総裁は,「これまで,医師会の先生方には,医療の専門家として,いろいろと医療に関する教えをいただいてきた」と感謝の意を示したうえで,今後の医療費財源についても言及し,「日本の医療をさらに良くするためには,財源の問題から逃げることは出来ない.その財源として,社会保障目的税といったものをしっかりと考えていかなければ,本当の意味で社会保障を良くすることにはならない」と述べ,理解を求めた.

江田五月参議院議長

谷垣禎一自由民主党総裁   長妻昭厚生労働大臣
 

 続いて,十数年前に東大の医科学研究所で一緒に仕事をしたという原中会長とのエピソードを披露し,新しい日医のさらなる発展に強い期待感を示した久史麿日本医学会長の音頭により乾杯が行われた.
日本医師会役員就任披露パーティー/原中会長 心をひとつに国民の生命と健康を守るという使命を果たす(写真2) その後,現役の閣僚が次々に来場し,新執行部誕生を祝うあいさつを行った.
 長妻昭厚生労働大臣は,「新政権になり,このたびの診療報酬改定で十年ぶりにプラスの改定にすることが出来たのも,原中会長はじめ皆様方の奮闘があってのことだ」と述べるとともに,新型インフルエンザについても,「日本が先進諸国のなかでも死亡率を低く抑えることが出来たのは,国民のために現場でご尽力いただいた先生方がいてくれたからこそである」と述べ,これまでの協力に対して感謝の意を示した.さらに,長妻厚労大臣は,少子高齢社会の日本モデルを世界に誇るべきビジョンとして打ち立てていく考えを示し,新執行部に対して支援と協力を求めた.
 引き続き,登壇した菅直人副総理兼財務大臣は,まず,「皆さん方の期待が大きかっただけに,今はご心配をおかけしていることと思う」と民主党政権発足からの八カ月あまりを振り返ったうえで,日本の財政状況について,「日本の財政はこの二十年で,税収が二百兆円減っているにもかかわらず,社会保障費が二百兆円増大し,結果として四百兆円を超える国債残高がある」と説明.そのような状況のなかで,日本の社会を,将来どのような方向にもっていくのかということが,今,問われていると強調した.また,今後は,日本の将来に向けてのビジョンを新執行部の知恵を借りながらつくっていきたいとの考えを示すとともに,「これからの日本が,すべての国民にとって,安心で未来に夢が持てる国となるよう,医師会の皆さんにも大きな力を発揮していただきたい」と述べた.

菅直人副総理・財務大臣

 その後の歓談では,原中執行部に対しての大きな期待から,会場は立錐の余地もないほどの盛況ぶりで,原中会長の周囲は,激励の言葉を述べる来賓者であふれた.
 午後七時,羽生田俊副会長が,参会者に対して「本日の出席者の多さに原中新執行部に対する期待の大きさを改めて感じている.今後も新執行部に対するさらなるご支援,ご協力をお願いする」と謝辞を述べ,パーティーは盛会裏に終了となった.
 (閣僚の役職は六月一日時点で掲載)

日本医師会役員就任披露パーティー/原中会長 心をひとつに国民の生命と健康を守るという使命を果たす(写真3)日本医師会役員就任披露パーティー/原中会長 心をひとつに国民の生命と健康を守るという使命を果たす(写真4)

このページのトップへ

日本医師会ホームページ http://www.med.or.jp/
Copyright (C) Japan Medical Association. All rights reserved.