日医ニュース
日医ニュース目次 第1171号(平成22年6月20日)

日医定例記者会見

日本の医療の満足度に関するロイター通信の報道について
5月26日

日医定例記者会見/日本の医療の満足度に関するロイター通信の報道について/5月26日(写真) 四月十五日,共同通信から,ロイター通信が行った「医療制度に関する満足度調査」のなかで,「日本,医療の満足度一五%,二十二カ国で最低レベル」とした結果が報じられた.これに対し,石川広己常任理事は五月二十六日に定例記者会見を行い,本調査結果は,その他の調査で実証されている結果とは大きくかけ離れているとし,本調査の問題点を指摘した.
 本調査は,インターネットによるオンライン調査で行われ,「家族が重篤な病気になったときに,quality, affordable health care services(良質で手ごろな医療)を受けやすい,あるいは困難か」についてのみ質問したものである.
 同常任理事は,「この質問は,医療,あるいは医療制度に対する満足度を直接聞いたものではないにもかかわらず,日本で一般に報道される段階では,医療に対する各国の満足度を調査した結果として報じられている.本調査内容は,その国全体の医療に対する満足度を図る指標にはなり得ないことは明らかである」と述べた.
 また,その他の医療の満足度調査の結果を見ても,日本は国民皆保険制度のもと,国民の医療に対する満足度は決して低くはないとした.
 そのうえで,同常任理事は,調査結果を公表する際には,その質問と回答を明らかにし,分析結果を正しく公表すべきであるとし,「医療の満足度の調査においては,Quality, Access, Costの三要素をはっきりと質問項目に取り入れ,分析を行うべきである」と改めて指摘した.
 さらに,同常任理事は,医療を受けにくい,受けられないということには,医療費が払えないという経済的な要因が大きく影響しているということは明らかであり,日医の意識調査結果(二〇〇七年五月)によれば,窓口での患者負担が「高くなりすぎだ」と感じている国民が六二・八%,患者では四四・七%であったことから,日医は,患者一部負担割合を引き下げるよう,提案を行ってきたと説明.そして,「日医は,国民が経済的負担を心配することなく,いつでも医療機関にかかれる社会を取り戻すため,今後も引き続き提言を行っていく」と述べた.

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