第1196号（平成23年7月5日）

ボランティア活動

　ボランティアの語源は中世の「義勇兵」という意味だそうだ．
　我々の認識では「奉仕活動」という意味だと思う．日本古来から地域に密着した自然な活動が営まれてきた．
　最近では阪神淡路大震災の際，多くの市民の間でその支援の輪が広がった．政府も毎年一月十七日を「防災とボランティアの日」として普及に努めている．驚いたことに，ある企業がボランティアを商標登録したが当然その後取り消しになった．
　一九七〇年に国連ボランティア計画が創設された．人道支援や平和支援，開発支援などが行われている．日本からの湾岸戦争やスマトラ沖地震など世界各地での活躍も注目され始めた．
　また，学校での活動も進んできた．あくまでも基本は自発性だが，そのきっかけを学生時代に体験することはいいと思う．医学部教育の中で，そうした経験を積んでもらうこともどうであろうか．
　今回の東日本大震災でも多くの医師がプロフェショナルボランティアとして活躍した．医師集団としての医師会の当然の活動と言えるし，これからももっと充実した活動が地域から期待されていると思う．
　一人ひとりの会員が医師会の中心として積極的に取り組み，同時に医師会組織として地域に密着した体制整備も急務であろう．
　そのキーワードは医師会の発信力，つまり広報活動の充実と言える．

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