日医ニュース
日医ニュース目次 第1205号(平成23年11月20日)

プリズム

シャンソン「生きる」に思う

 一九七七年にレコーディングされた「生きる」というシャンソンがある.
 日本では矢田部道一さん訳詞で深緑夏代さんが持ち歌にしていた.
 私は四十歳代後半でこの歌を知ったが,歌詞の内容から歌うのは早過ぎると感じ,ステージでは歌わなかった.では,どこで歌うのか? 
 性教育講演の時! さすがに中学生には早過ぎるので,高校生以上なら理解出来ると思い,講演の最後に一番だけ歌う.「好きなように生きた この私だから 死の訪れなど 怖くはなかった やり残したことも たくさんあるけれど やることはやった ひとの倍くらい ……」.
 「思いっ切り,生きなさい」と,子ども達へのエールである.しかし,今からは持ち歌にしようと思う.この二番の歌詞に共感するようになったから.「気がつくと仲間が一人 また一人 帰らぬ旅へと 赴いて行った 天国も地獄も 私は信じない だけど確実に 死は迫っている 生きる 生きる 今になって私は 生きることの貴さを知った」.
 最近,大学,高校,中学のクラス会,クラブのOB会と昔の友達と会う機会が多くなった.そして,その中の多くの人が何らかの病気になり,だからこそ,健康に気を使うようになっている.歳をとるごとに,生への執着が強くなるのは,死への実感が強くなり,経験したことのない死への恐怖からだろうか.三番は,「生きている間悔いのないように 私の仕事も 整理しておこう ろうそくの炎が 燃え尽きるように 私の迎えも もうすぐ来るから……」来年から年金の振込が始まる!!

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