日医ニュース
日医ニュース目次 第1211号(平成24年2月20日)

プリズム

社説・視点……かかりつけ医 オピニオンリーダー

 新聞社の基本姿勢を発信するのが社説.新年の社説を見ると,各紙とも「増税賛美」一色と読みとれる.明治以来歴然と続いてきた官僚支配,それに屈した新聞の社説,マスコミが自らの役割を見失った見苦しさがうかがえる.増税キャンペーンの一環として社会保障が取り上げられているが,筋違いであろう.一向に進まない行政改革のツケがまわってきたので増税するというのが本質であろう.国民生活に最も重要な社会保障を拉致して,増税のへ理屈にするとは許されない,という社説が本来マスコミに求められているはずだ.
 日医ニュースの社説に当たるものが「視点」である.基本的なスタンスは,国民本位であり,その理念で種々のテーマごとに書かれている.
 会員の先生方におかれては,日常診療で多くの患者さん方に接するので,地域のオピニオンリーダーとして,社会保障の重要性,今後などについて,ぜひ診療の合間に説明していただければと思う.
 例えば,日本の医療費は先進国中最低であるが,医療の総合水準はアメリカより優れている.ところが調査によると,国民の中には日本の医療は良くないと思い込んでいる方もいるようで,事実関係に大きな誤解がある.また,先進国中最低のたばこ価格,これも変であろう.たばこが原因で莫大な医療費を損失しているので,たばこ税を加害者責任として医療費に組み込むことは当たり前,という社説は今まであっただろうか.
 社説がその使命を果たしていない以上,かかりつけ医が国民に直接説明していく外,市民生活を守る方法はないと思う.
 ぜひ「視点」を参考にしていただきたい.

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