 |
第1237号(平成25年3月20日) |
日本医師会テレビ健康講座(長野県)
「脳卒中〜予兆を見逃すな!早期発見とリハビリ〜」をテーマに

今年度七カ所目となる「日本医師会テレビ健康講座─ふれあい健康ネットワーク」の収録が三月二日,長野県医師会並びに長野放送の協力の下,「脳卒中〜予兆を見逃すな! 早期発見とリハビリ〜」をテーマに,テレビ局内のホールで行われた.
番組は,脳卒中の予防や初期対応の啓発のため県医師会が実施した「ストップ脳卒中キャンペーン」のCMに出演したという,脳卒中からリハビリで社会復帰した元患者や,回復期や維持期のリハビリに取り組む患者の証言や訓練の様子,更には地域包括支援センターについてのリポートと,解説のVTRを交えた構成となっている.
VTRで出演した,県医師会広報委員会副委員長の斎藤隆史長野赤十字病院副院長兼第一脳神経外科部長は,脳梗塞・脳出血・くも膜下出血の三タイプがある脳卒中のサインとして,(1)片方の手足のまひ(2)きちんと立てない,歩けない(3)ろれつが回らない(4)急に片方の目が見えなくなる(5)突然,激しい頭痛に見舞われる―といった症状を挙げ,これらの症状が現れたら,すぐに救急車を呼ぶことなどの基礎知識を解説.更に,脳卒中の予防に関しては,(1)高血圧(2)脂質異常症(3)糖尿病(4)不整脈(5)喫煙―などの危険因子と,脳梗塞の前触れである一過性脳虚血発作についても説明した.
同じくVTRで出演した,県医師会総務理事の竹重王仁竹重病院長は,急性期・回復期・維持期の三つに大きく分けられる脳卒中のリハビリのうち,(1)日常動作の向上(2)寝たきりの防止(3)家庭復帰―を目標とした回復期のリハビリについて説明.回復期リハビリテーション病棟において,(1)を「移動動作(歩行訓練)」「身体動作(のどの訓練など)」「家事動作」「コミュニケーション」「その他」の五つの動作に分け,回復具合に合わせて訓練を行っている様子を紹介し,発症後九十から百二十日ぐらいまでの回復期に,今後の在宅生活を予想して訓練することが大事だと解説した.
また,番組に出演した関隆教長野県医師会長は,二月二十八日に発表された都道府県別の平均寿命で,長野県が男性八十・八八歳,女性八十七・一八歳で共に一位になったことに触れた上で,「知っていれば助かる命 減らせる後遺症」をスローガンにした「ストップ脳卒中キャンペーン」のCMやシンポジウム,小冊子『わたくしたちの健康読本』など,県医師会の取り組みについて紹介.「日本人の死亡原因の第四位で,寝たきりになる原因の第一位,約三分の一にもなる脳卒中についての正しい知識を持つことが重要だ」と述べた.
同じく出演した,石川広己常任理事は,日医としても,昨年の二月五日に市民公開フォーラムを開催するなど,脳卒中の早期発見・予防に向けた活動を行っており,これを継続していく方針を示すとともに,日医HPでは,インフルエンザや花粉症など,国民に役立つ情報が掲載されていること等を紹介した.
なお,番組は三月三十日(土)に長野放送で三十分番組として放映される予定.
日医テレビ健康講座「ふれあい健康ネットワーク」は,今回で今年度の収録が全て終了した.
|