日医ニュース
日医ニュース目次 第1238号(平成25年4月5日)

160万人の国民の声を基に7ワクチンの定期接種化の早期実現を求める

秋葉厚労副大臣(中央)に
要望書を手渡す小森常任理事(右),
岩田予防接種推進専門協議会委員長(左)
 小森貴常任理事は三月二十一日,岩田敏予防接種推進専門協議会委員長と共に,厚生労働省を訪れ,予防接種で防ぐことが出来る病気から国民を守るため,七ワクチン(子宮頸がん予防,ヒブ,小児用肺炎球菌,水痘,おたふくかぜ,成人用肺炎球菌,B型肝炎)全ての定期接種化の早期実現を求める要望書を,秋葉賢也厚労副大臣に手渡した.
 今回の要望は,日医が予防接種推進専門協議会と共に,本年一月から実施していた七ワクチンの定期接種化を実現するための署名活動に,百六十万二千七百十一名もの署名が集まったことを受けて行われたものである.
 要望書では,(1)今国会に上程され,審議中の予防接種法の改正法案においては,七ワクチンのうち,ワクチン接種緊急促進事業として時限的に公費負担が実施されている三ワクチン(子宮頸がん予防,ヒブ,小児用肺炎球菌)が定期接種として追加されるにとどまっていること(2)去る三月十九日に開かれた衆議院厚生労働委員会において,水痘,おたふくかぜ,成人用肺炎球菌,B型肝炎の四ワクチンに関しても,「安定的なワクチン供給体制や継続的な接種に要する財源を確保した上で,平成二十五年度末までに定期接種化の結論を得るように努める」との附帯決議が採択されたこと―に触れた上で,七ワクチン全ての定期接種化は,医療関係者のみならず,国民の切なる願いであると強調.政府に対しては,財政措置と共に,予防接種法改正法案で位置付けられた評価・検討組織(厚生科学審議会)での検討を経て,可及的速やかに残りの四ワクチンに関しても定期接種化を実現するよう求めている.
 要望書の内容を説明した小森常任理事は,まず,既に定期接種化されているワクチン(一類疾病分)に対する公費負担が九割に引き上げられることになったことに改めて感謝の意を表明.今回の要望については,「予防接種は平時の安全保障であり,国が責任をもって実施すべきものと考えている.ぜひ,早期の実現をお願いしたい」と述べた.
 これに対して,秋葉厚労副大臣は,「七ワクチンの定期接種化については,厚生科学審議会感染症分科会予防接種部会からも提言を頂いており,わが国のワクチンギャップの解消のためにも早期に実現したいと考えている.今回の要望の趣旨を田村憲久厚労大臣にもきちんと伝える」と回答.その上で,実現のための課題として,財源の確保を挙げ,「消費税率が引き上げられる時期が一つのチャンスになる」との考えを示した.

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