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第1261号(平成26年3月20日) |

高知県医師会長 岡林 弘毅

「開業医と勤務医」,あるいは,「診療所と病院」,また,「民間医療機関と公的医療機関」というように,医療者間に対立軸を持ち込むことのメリットは那辺(なへん)にあるのか考えて欲しい.つまり,医療者の一枚岩を望まない者達がいることを,それが誰なのかに思いを巡らせて欲しい.
いつまでも,「大本営発表」から抜け出せないマス・メディアは,殊更に,「開業医の集まりである日本医師会は……」というように,「開業医の集まり」を日医の枕詞(まくらことば)とするかのような報道に徹し,日医を開業医による利益集団であるかのように印象付けている.
そのことによって,専門家としてのわれわれの声が国民に正しく伝わることを阻害し,結果的に,政治を利し,国民に不利益をもたらすであろうことに憂慮せざるを得ない.
日医が,前述の枕詞を付けて呼称されないためにも,未加入勤務医の加入を促し,組織率アップを図ることが課題と言える.
一人ひとりの声では,いくら声を大にしても,個々の力だけではいかんともし難く,団体,組織が大きくなればなるほど,その声は影響力を持ち得るということを,しっかり,考えて欲しい.
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