日医ニュース
日医ニュース目次 第1275号(平成26年10月20日)

日医定例記者会見

10月1日
個人番号カードに被保険者証番号を記載することについて

日医定例記者会見/10月1日/個人番号カードに被保険者証番号を記載することについて(写真) 石川広己常任理事は,政府与党が国民一人ひとりに番号を割り振るマイナンバー制度の開始に伴い交付する個人番号カードと,「健康保険証」とを一体化する方針を打ち出していることについて,「患者のプライバシーの保護や安心の観点から単純に容認できない」との日医の見解を示した.
 同常任理事は,個人番号カードに券面番号(個人番号)を記載することについては,「健康保険証(被保険者証)等は商習慣として安易にコピーされることもあり,法律で券面番号たる「個人番号」の安易な利用を禁止したとしても,そこに目に見える番号がある限り,利用される状況は多々あると予想できる」とするとともに,「券面に個別性の高い番号が記載されているカードを医療現場で使うことは,患者の病歴を含めた極めてプライバシー性の高い情報を個人情報と紐付けることになる危険性もある.医療機関の外来においては,診察中は受付に預けたままになる場合が多いことからも,日医としては容認できない」として,強い懸念を示した.
 また,被保険者証の記号番号をICチップに入れて活用する場合などは,(1)読み取り装置が必要となる(2)被保険者資格の異動が多い(3)資格確認とともに,給付・過誤・被保険者の異動等に関する保険者間調整も完備されなければならない─ことから,患者にも医療機関にもメリットはないとした.
 同常任理事は,「医療等の現場には,他の分野とリンクしない別の番号を用意するという議論もあるが,個人番号カードを医療現場で呈示するような機能を持たせる場合には,唯一無二性のある番号は外形から見えないようにすべきである」と述べ,医療に関する機微情報の漏洩(ろうえい)等についての危惧が耐えないと指摘.
 このことからも,「個人番号カードの券面に『個人番号』が記載されているところに被保険者証機能を付加することは,患者のプライバシーの保護や安心の観点から,単純に容認できない」と改めて強調した.

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