日医ニュース
日医ニュース目次 第1275号(平成26年10月20日)

岩手県医師会が『東日本大震災対応の記録』を刊行

岩手県医師会が『東日本大震災対応の記録』を刊行(写真) 岩手県医師会はこのほど,東日本大震災の医療支援活動をまとめた記録誌『強絆復興 東日本大震災対応の記録2011.3.11』を発刊した.
 本記録誌は,被災地では今もなお復興に向けた取り組みが行われている中で,「岩手県医師会の震災対応と被災地支援活動の全てを記録し,後世に伝えること」「今後起こり得る災害時にも役立ててもらうこと」を目的として発刊されたものである.
 記録誌は,「本編」と「資料編」の二部構成となっている.
 「本編」では,被災地支援に実際に関わった医師のコラム等を交えながら,「発災期」では被災地への医療支援や検案に取り組んだこと,日医等からの医薬品支援等を,「急性期」では,各地域から支援に来てもらったJMATの調整,プレハブの仮設診療所の建設,支援チームの広範囲にわたる被災地をカバーし,隙間のない医療体制を構築するために立ち上げた「いわて災害医療支援ネットワーク」の活動等をそれぞれ紹介.更に,「復興期」では,岩手県医として開設・運営する陸前高田市の高田診療所の取り組みや放射能対策,子どもの心のケア対策などについて,「未来へ」では,今回の大規模災害を踏まえた新たな取り組みとして,災害時の透析医療情報ネットワークの構築や子どもたちの心を長期間にわたってケアできる体制の整備等について触れられている.
 その他,各章の終わりには,各時期の活動の検証を行った上で,「医師会・行政・大学の連携による早い段階からの体制づくり」「被災地目線に立った効率的な支援調整の仕組みづくり」「長期的な支援を見据えた支援」の重要性が指摘されている.
 なお,記録誌のタイトル「強絆復興」は,石川育成岩手県医師会長が独自に生み出した言葉であるが,その言葉の中には,多くの支援に支えられ歩み出した岩手の復興のためには,何よりも医療に必要な強い心の絆をという思いが込められており,岩手県医師会の復興支援の象徴となっている.

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