日医ニュース
日医ニュース目次 第1282号(平成27年2月5日)

マイナンバーに関する日刊紙記事に対して質問状を送付

 日医は,一月十九日付日刊紙朝刊に掲載された「マイナンバーカード 健康保険証にも」の記事について,その意図の説明を求めるため,石川広己常任理事(医療情報担当)名の質問状を作成.一月二十二日に同社の代表取締役社長宛てに送付した.
 個人番号(マイナンバー)の問題に関して,日医では,昨年十一月,日本歯科医師会,日本薬剤師会と共に「医療等IDに係る法制度整備等に関する声明」を取りまとめるなど,医療現場で利用することに強く反対してきた別記事参照
 また,厚生労働省の「医療等分野における番号制度の活用等に関する研究会」では,石川常任理事が委員として出席し,同様の趣旨を主張.
 昨年十二月に取りまとめられた「中間まとめ」では,「個人番号カードに被保険者証の機能を付加することは問題であり,他の方法も検討すべき」「個人番号カードのICチップを用いる仕組みが合理的であり,こうした方向性を示すことが重要」という正反対の内容を両論併記した上で,「個人番号が普及していく中で,不正防止の仕組みの確実な担保を検討する必要がある」旨が示されている.
 今回の記事の問題点は,(1)前述の厚労省の研究会が昨年十二月,個人番号カードを保険証代わりにも使えるようにすることを提言したとしている点(2)厚労省が採用を決めたとしている点─の二点.
 質問状の中では,(1)について,中間まとめの一部だけを拡大解釈した表現となっていることを批判するとともに,(2)についても,日医が厚労省の担当部署に照会したところ,「決定した事実はない」との回答を得ていることなどを示し,速やかな訂正を求めている.
 その他,質問状では,記事が記載された時期に関しても,「あたかも決定したかのような記事をこの時期に掲載することは,国民のプライバシー保護と個人番号カードの活用に関する議論を特定の方向へと誘導することに他ならない」と指摘.「影響力の大きい全国紙記事が,結果的に世論誘導及び既成事実化に利用されているのであれば,貴社の矜持(きょうじ)に関わる大きな問題だ」として,具体的な説明を要求している.

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