日医ニュース
日医ニュース目次 第1287号(平成27年4月20日)

都道府県医師会地域医療構想(ビジョン)担当理事連絡協議会
地域医療構想の良否は各都道府県・郡市区等医師会の取り組みにかかっている

都道府県医師会地域医療構想(ビジョン)担当理事連絡協議会/地域医療構想の良否は各都道府県・郡市区等医師会の取り組みにかかっている(写真) 都道府県医師会地域医療構想(ビジョン)担当理事連絡協議会が三月十九日,日医会館大講堂で開催された.
 当日は,厚生労働省から,土生栄二医政局総務課長,北波孝医政局地域医療計画課長,松本晴樹総務課医療機能情報分析専門官,廣澤友也地域医療計画課課長補佐が,日医からは,横倉義武会長,中川俊男副会長,鈴木邦彦・釜萢敏両常任理事が出席した.
 釜萢常任理事の司会で開会.冒頭あいさつに立った横倉会長は,日医が,二〇二五年を目標として,将来の医療提供体制は地域の実情に応じて構築されるべきと訴え,病床機能の分化や連携に関する議論に臨んできたと説明.その上で,「地域医療構想策定ガイドライン検討会で固まった『ガイドライン』はあくまでも参考であり,地域医療構想が真に地域住民にとって良いものになるか否かは,都道府県医療審議会や地域医療構想調整会議を始め,各都道府県・郡市区等医師会の取り組みいかんにかかっている」と述べ,都道府県や市区町村行政と地域医師会間での情報共有と協働の重要性も指摘した.
 あいさつの後,北波課長が,「地域医療構想策定ガイドライン(案)」等の資料を基に次のように説明した.同ガイドラインは,(一)地域医療構想の策定,(二)地域医療構想策定後の取組,(三)病床機能報告制度の公表の仕方─の三つの柱から構成されている.その中には,「都道府県が法令の範囲内で本ガイドラインを参考に,地域の実情に応じた地域医療構想の策定が進むよう,周知を図られたい」「都道府県においては,医師会等の医療関係者や,保険者,市町村だけではなく,住民との十分な連携のもと,地域医療構想を策定するとともに,おおむね十年後である平成三十七(二〇二五)年に向けて,拙速に陥ることなく確実に,将来のあるべき医療提供体制の実現に向け,医療機関の自主的な取組等を促す」「第七次医療計画の策定に向け,地域医療構想の策定や実現に向けた取組を進める過程で生じる新たな課題を把握し,同計画の策定指針等を検討する際に反映されたい」等を明記.その他,「二〇二五年の医療需要と各医療機能の必要量の推計方法(案)」として,病床の機能区分(高度急性期・急性期・回復期・慢性期)ごとに,医療需要(一日当たりの入院患者延べ数)を算出し,それを病床稼働率で割り戻して,病床の必要量を推計する方法や病床の機能別分類の境界点(C1〜C3)の考え方等も示されている.
 次に,中川副会長が,資料「地域医療構想と医師会の取り組み」を基に,二〇〇八年の社会保障国民会議から始まり,社会保障・税一体改革,社会保障制度改革国民会議などを経て地域医療構想に至るまでの経緯や,それぞれの場面における日医の対応を解説した.
 病床機能報告制度では,当初,急性期病床を認定する提案があったが,日医の主張により,各医療機関が医療機能を自主的に選択する仕組みに結着したと説明.
 また,地域医療構想については,各医療機関の自主的な取り組みや地域医療構想調整会議を通じて,病床機能報告制度における病棟の報告病床数と地域医療構想における必要病床数が“次第に”収斂(しゅうれん)されていき,不足する機能の解消が図られることを目指したものであることを強調した.
 全体協議では,事前に各医師会から寄せられた質問及び会場からの質問に,厚労省の担当者や日医からそれぞれ回答を行った後,中川副会長の総括により閉会となった.
 当日は二十七道府県医師会がテレビ会議で視聴した他,会場の参加者は百三十一名であった.
 なお,当日の資料は,日医ホームページのメンバーズルームを参照されたい.

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