2021年1月29日
令和2年度在宅看取りに関する研修事業「医師による遠隔での死亡診断をサポートする看護師を対象とした研修会」―申込を締切ました―
日本医師会では、令和2年度厚生労働省在宅看取りに関する研修事業の委託を受け、「医師による遠隔での死亡診断をサポートする看護師を対象とした研修会」を開催することとなりました。
情報通信機器(ICT)を用いた死亡診断等の取扱いについては、「規制改革実施計画」(平成28年6月2日閣議決定)において、在宅での穏やかな看取りが困難な状況に対応するため、医師が自らの診療下にある患者について、受診後24時間経過して死亡した場合であっても、下記a~eのすべての要件を満たす場合には、医師が対面での死後診察によらず死亡診断を行い、死亡診断書を交付することができるよう、早急に具体的な運用を検討し、規制を見直すこととされました。
これを受け、平成28年度厚生労働科学研究において情報通信機器(ICT)を用いた死亡診断等を行う際の基本的考え方、具体的手順等についての研究がなされ、その結果を踏まえ「情報通信機器(ICT)を利用した死亡診断等ガイドライン」 (以下、「本ガイドライン」)が策定されたところです。
a 医師による直接対面での診療の経過から早晩死亡することが予測されていること
b 終末期の際の対応について事前の取決めがあるなど、医師と看護師と十分な連携が取れており、患者や家族の同意があること
c 医師間や医療機関・介護施設間の連携に努めたとしても、医師による速やかな対面での死後診察が困難な状況にあること
d 法医学等に関する一定の教育を受けた看護師が、死の三兆候の確認を含め医師とあらかじめ決めた事項など、医師の判断に必要な情報を速やかに報告できること
e 看護師からの報告を受けた医師が、テレビ電話装置等のICTを活用した通信手段を組み合わせて患者の状況を把握することなどにより、死亡の事実の確認や異状がないと判断できること
今般、本ガイドラインにおいて、医師による遠隔での死亡診断をサポートする看護師が受けなければならないとされる「法医学等に関する一定の教育」研修を、日本医師会が厚生労働省の委託を受け、「医師による遠隔での死亡診断をサポートする看護師を対象とした研修会」として、以下のとおり開催することとなりました。
また今年度より、本研修会を受講する看護師のサポートを受け、遠隔から死亡診断を行う可能性のある医師についても受講が可能となりましたので併せてご案内いたします(但しe-learning視聴のみ)。
研修会概要
開催要領:e-learning形式(既定の視聴期間内に講義動画をすべて視聴)で座学を受講後、下記会場のいずれかにおいて実技・シミュレーションを研修
【東京会場】令和3年2月21日(日) 定員20名
【大阪会場】令和3年2月27日(土) 定員20名
参加費:教材費として、看護師2,500円(交通費・宿泊費は受講者負担)、e-learningを受講する医師1,000円
※振込口座については、受講決定者に別途ご連絡いたします。
対象者:◆原則として、以下の(ア)(イ)(ウ)(エ)(オ)(カ)のすべてを満たす訪問看護事業所の看護師
(ただし、(イ)を満たさない時にも、受講を認める場合がありますので、申込用紙に状況を記入してください。)
(ア)看護師としての実務経験5年以上を有し、その間に患者の死亡に立ち会った経験が3例以上ある。
(イ) 看護師としての実務経験のうち、訪問看護または介護保険施設等において3年以上の実務経験を有し、その間に患者5名に対しターミナルケアを行った(※1)ことがある。
※1ここでいう「ターミナルケアを行った」とは、訪問看護においては、患者の死亡日及び死亡前14日以内に、2回以上の訪問看護を実施し、ターミナルケアに係る支援体制について患者及びその家族等に対して説明した上でターミナルケアを行った場合をいう。また、介護保険施設等においては、当該施設の看取りに関する指針等に基づき、看護師が対象となる入居者に対するターミナルケアに関する計画の立案に関与し、当該計画に基づいてターミナルケアを行った場合をいう。
(ウ)実務においてICTを活用して連携している医師に、研修受講について説明し、同意を得ていること。
(エ)「情報通信機器(ICT)を利用した死亡診断等ガイドライン」を読んでいること。
(オ)所属施設において、業務上でタブレットまたはスマートフォン等を使用していること。
(カ)インターネットによるe-learning受講および2会場いずれかでの研修を終了後、令和3年12
月末日までに実地研修(※2)を履修できること。(※今後の感染状況等を踏まえ、期限が変更となることもあります)
※2ここでいう「実地研修」とは、大学法医学教室及び監察医務機関等において、死体検案や解剖見学に参加することを通じ、死の三兆候や死後硬直等の法医学等に関する講義で学ぶ内容を実際に観察する研修をいう。
日時:【東京会場】令和3年2月21日(日)定員20名
【大阪会場】令和3年2月27日(土)定員20名
研修内容:①法医学等に関する講義 ②看護に関する講義・演習
③法医学に関する実地研修(2体以上の死体検案又は解剖への立ち会い)
※受講記録票で受講状況の管理を行い、①②③すべてのプログラムを履修した場合に修了証を交付する。
<各会場共通>(予定)
座学(e‐learning受講) | ||
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開講・挨拶 | ||
「わが国の死因究明制度」 | ||
「法医学に関する一般的事項①・死因論 ・内因性急死」 | ||
「法医学に関する一般的事項② ・外因死」 | ||
「法医学と看護」 | ||
「ICTを利用した死亡診断等の制度を活用する利用者・家族に対する意思決定支援~死亡前から死亡後に至る利用者・家族への接し方~」 | ||
会場での受講 | ||
+演習 |
「実際に使用する機器を用いた医師との情報伝達のシミュレーション -死亡確認後の説明と死亡診断書の交付の仕方-」 ※DVD視聴後シミュレーション実践 |
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ICTを利用した死亡診断等の制度を活用する利用者・家族に対する意思決定支援(ロールプレイ) | ||
ICTを利用した死亡診断に関する在宅看取りの実践についての意見交換 | ||
閉会挨拶・実地研修、修了証交付の手続き等に関する説明、アンケート記入 |
研修申込・受講に関する留意事項
- 研修会については、「受講申込書 兼 受講に関する医師の同意書」※に必要事項を記入の上、郵送にて、令和3年1月8日(金)消印有効でお申込みください。
※「受講申込書 兼 受講に関する医師の同意書」のダウンロードは、こちら - 受講決定者には令和3年1月25日(月)以降に電話連絡のうえ、参加票(受講会場決定)、プログラム、地図等を通知いたします。なお、受講会場については、本会で受講者の希望を考慮・調整し決定いたします。
- 法医学に関する実地研修(2体以上の死体検案又は解剖への立ち会い)については、受け入れ可能な機関で受講していただきます。(受け入れ可能な機関については、研修会時にお知らせします。)
- 受講記録票で受講状況の管理を行い、e-learningによる講義受講・演習および実地研修の全プログラムを履修した受講者に修了証を交付します。
- 新型コロナウイルス感染症の感染状況等により、やむを得ず、本研修会の実施を延期、もしくは中止する場合がありますことを、あらかじめご理解、ご了承ください。
〈お問い合わせ先〉
公益社団法人 日本医師会 医事法・医療安全課
TEL : 03‐3942‐6484 FAX:03‐3946‐6295
E‐mail: mitori19●po.med.or.jp
※●を@に変換して送信してください。