指導:日本医師会広報委員(神奈川県大和市・雪外科医院)

   雪下 國雄

ボケにも2種類あります

 ボケには、脳の機能低下によって起こるものと、脳自体の変化によって起こるものとがあります。脳の機能低下を招く原因はいろいろですが、もっとも多いのが脳の血管障害。つまり、脳梗塞や脳出血によって引き起こされるもので、「脳血管性痴呆」といいます。一方、これといった原因がないまま脳全体に病的な老人性変化が起きてくるのが「アルツハイマー型痴呆」です。

MRIなどで脳の異常をキャッチできます

 ボケは根本的に治療するのがむずかしい病気です。しかし、原因がはっきりしている「脳血管性痴呆」は、早く見つけて治療を始めれば病状がかなり改善されます。さっき食事したのにすぐ忘れてしまったり、歩き慣れた道順をどうしても間違えたり、などの症状が出現したら、知らず知らずのうちに動脈硬化が進み、小さな脳梗塞や脳出血を起こしているかもしれないので、早めに専門医の診察を受けましょう。MRIなどの画像診断によって脳の異常を的確にとらえることができます。

脳の血流をよくすると症状もよくなります

 脳血管性痴呆の患者さんの多くは、脳に小さな梗塞巣(血管が詰まっているところ)がいくつも見られ、脳の血流が悪くなって、神経細胞に酸素や栄養が行きにくくなっています。そこで、脳の血流をよくする薬を早期に使うと脳の血液循環がよくなり、失いかけた神経細胞の機能が改善され、ボケ症状もしだいに軽減してきます。

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