健康三叉路No.4 エッセー 伝言板 前号 目次 次号
食育のすすめ
服部幸應(服部栄養専門学校長)

イラスト 本来、日本の学校教育は「知育」「徳育」「体育」の3本柱ですが、もう1本の柱になる「食育」が必要だと思います。「食」という字を分解すると、「人」に「良い」と書きます。人に良くなければ食ではないのです。

 この数年、小・中学校の授業のなかに、「食育」を取り入れるところも出てきました。

 現在、厚生労働省、農林水産省、文部科学省の共同による「食生活指針」が進行し、平成15年度に向け「食育」の予算もつくことになりました。

 そこで、いま一番に手を付けなければならないことは、飲食を通じて人と人とのコミュニケーションを図ることです。相互理解が生まれてくるからです。そのことが問題を解決する一番の早道だと思います。

 医療費も年々増加しているなか、食を通じて健康寿命をのばすことが、食育の目標にもなるのではないでしょうか。

伝言板 日本の優れた健康保険を破壊してもいいの?
 日本では、国民全員が公的な健康保険に加入していて、だれもが平等に必要な医療が受けられます。今、公的な健康保険を縮小して、民間保険を併用しようという意見が小泉内閣から出ています。

 しかし、民間保険では、何らかの病気を持つ人やお年寄りは、加入を拒否されたり、高額の保険料を負担させられたりします。結果として、今の日本の優れた健康保険制度を破壊することになります。

 さらに、民間保険を併用するという考えのなかには、民間保険の導入で国の負担を減らし、その分の負担を国民に押しつける狙いが隠されているのです。

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