白クマ
日医白クマ通信 No.1123
2009年4月2日(木)


定例記者会見
「勤務医の健康支援に関するプロジェクト委員会中間報告まとまる」
―今村聡常任理事

 今村聡常任理事は、4月1日の定例記者会見で、勤務医の健康支援に関するプロジェクト委員会(委員長:保坂隆東海大学医学部附属東京病院教授)が、唐澤人会長からの諮問「勤務医の健康支援のための具体的方策」に対して、中間報告を取りまとめたことを発表し、その概要を説明した。

 中間報告は、(1)要約、(2)はじめに、(3)委員会の意義と経過、(4)答申1.既存データによる勤務医と一般職種との健康状態の比較可能性の検討、(5)答申2.諸外国の具体的な取り組みとわが国における応用可能性の検証、(6)答申3.わが国独自の対策の検討と実効性の高い具体策の提示、(7)おわりに、(8)参考文献−から構成されている。

 (4)では、1)勤務医の心身の健康の維持に重要なメンタルヘルスに関連した勤務医の健康状態の評価と、2)勤務医が現在必要としている労働生活全体にわたる改善希望項目に焦点をあてる必要があり、すでに同委員会で10,000人の勤務医を対象としたアンケート調査を実施しているため、その結果を踏まえた対策の優先度を検討してゆくことが必要であることが示された。

 (5)では、諸外国(米国、カナダ)がPhysician Health Programとして州単位で医師の健康を支援するさまざまなサービスを展開していることを紹介。諸外国と同様に日医においてもPhysician Health Programとして包括的な管理のもとに具体的な施策が行われることが、長期的に実行性のあるものにするために不可欠であるとした。

 そのなかで、日医が取り組む施策として1)医療機関での勤務医の健康を守る組織的対応の促進、2)医師が自分自身の健康を維持するよう啓発を行う、3)医師の健康支援を考える学術会議やシンポジウムの開催、4)医師のための電話などによる相談窓口の開設、5)厚生労働省・関連団体・国民に対して勤務医の健康支援の協力要請−について提案している。

 最後に同常任理事は「勤務医の健康は、質の高い診療を行うにあたって不可欠であり、諸外国においては、医師会や政府により勤務医の健康を守るためのさまざまな施策が行われている」と述べ「勤務医の健康支援は喫緊の課題であり、平成21年度は、この中間報告での提案に関して、具体化に向けて取り組んでいきたい」との考えを示した。

◆問い合わせ先:日本医師会地域医療第二課 TEL:03-3946-2121(代)

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