白クマ
日医白クマ通信 No.1292
2010年6月18日(金)


定例記者会見
「政府が近くまとめる新成長戦略に懸念を表明」
―中川副会長

定例記者会見


 中川俊男副会長は、6月16日の定例記者会見で、一部一般紙の「未承認薬使用可能に」の報道を受け、その内容から、近く閣議決定される政府の「新成長戦略」において、混合診療の全面解禁につながる医療ツーリズムなどの規制緩和が盛り込まれる可能性があるとして、改めて日医の見解を述べた。

 同副会長は、「日本人、外国人を問わず、診察や治療を行うことに異論はないが、株主に配当を義務付けられている営利企業が組織的に関与する医療ツーリズムには反対」と主張した。また、「先進医療や医薬品、医療機器は、現在の保険外併用療養の仕組みの中で、その運用の機動性を高めていくべきと強調してきた」としたうえで、「日本が、過去に薬害で非常に悲惨な結果を生み出した経験を踏まえ、薬に対しては、慎重過ぎるくらい慎重な姿勢で臨むべきではないか」と警鐘を鳴らした。

 同副会長は、菅直人総理大臣が、14日の衆院本会議で「小泉改革に戻ることは全く考えていない」と述べたことにも触れ、「この言葉に期待したいが、このまま『新成長戦略』が閣議決定されれば、まさに小泉改革に戻るのではないか。新自由主義、市場原理主義の考え方が非常に目立ってきており心配している」との懸念を示した。

◆問い合わせ先:日本医師会総合医療政策課 TEL:03-3946-2121(代)


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