白クマ
日医白クマ通信 No.1530
2012年3月26日(月)


定例記者会見
「健康スポーツ医学委員会答申」
―藤川常任理事

定例記者会見


 藤川謙二常任理事は、3月22日の定例記者会見で、健康スポーツ医学委員会答申について説明した。

 本答申は、会長諮問「国民がスポーツを通じて健康づくりのできる体制の整備」に基づき検討を重ねて取りまとめたもので、3月8日に立入克敏委員長(京都府医師会監事)から原中勝征会長に提出された。

 内容は、(1)はじめに、(2)国民の健康づくりとスポーツ活動に関する現状、(3)スポーツ医学の立場からみた「国民のスポーツを通じた健康づくり」に関する提言、(4)活動事例紹介、(5)まとめ―を柱としている。

 (2)では、「国民のスポーツ活動の現状」として、スポーツに対する意識や、施設、指導者の現状についての調査から、実施状況が増加傾向にあることを示しているほか、「国の施策」「医師会・学会等の取り組み」「医師個人の取り組み」に関する状況を記している。

 (3)では、国民のスポーツを通じた健康づくりに寄与するため健康スポーツ医がなすべきことや、行政施策、医師会活動のあり方について、各種提言を行っている。特に、「健康スポーツ医がなすべきこと」として、11の分野に分けて課題分析と提言を行っている。その中では、わが国の障害者スポーツがパラリンピック等の競技スポーツに偏重しがちであることから、健康スポーツを広める努力が必要であることや、産業保健において心身両面の保健指導が効果的であることなどが強調されている。

 行政に対しては、環境整備を求めるとともに、「運動の日」の設置、テレビ・ラジオにおけるスポーツタイムの設定、スポーツ庁の早期創設やスポーツ推進会議を通じた省庁間の政策調整について提言している。

 このほか、平成24年4月からの中学校における武道必修化を踏まえて、学校関係者に対する正しいスポーツ医学的知識の啓発や、運動する子どもとしない子どもの二極化の是正、知的発達障害や聴覚障害なども含めた障害者スポーツの推進などを求めている。 

 同常任理事は、「『健康スポーツ医活動』に関する“アンケート調査2011”の結果」を巻末資料として収載していることを紹介するとともに、本答申を、全国の健康スポーツ医がより活発に活動を展開していくための参考としてもらうよう期待を寄せた。

◆問い合わせ先:日本医師会地域医療第二課 TEL:03-3946-2121(代)
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