白クマ
日医白クマ通信 No.1532
2012年3月29日(木)


定例記者会見
「医療基本法の草案を提示」―医事法関係検討委員会答申

答申


 今村定臣常任理事は3月28日の定例記者会見で、医事法関係検討委員会がまとめた答申「『医療基本法』の制定に向けた具体的提言」を公表した。

 本答申は、原中勝征会長からの諮問「医事法をめぐる諸問題」に対して、鋭意検討を重ねた結果、取りまとめられたものであり、3月13日に鈴木勝彦委員長(静岡県医師会長)から原中会長に提出された。

 その内容は、(1)はじめに、(2)「医療基本法」の提言に至る背景、(3)「医療基本法」をめぐる論点の検討、(4)「医療基本法」の具体的提言、(5)おわりに〜今後の課題〜―の5部構成となっている。

 答申の中では、医療基本法を策定する前提として、医療基本法は全ての関係者の義務と権利についてバランス良く規定したものとすべきとした上で、「医療の定義、性質」「医療の対象、範囲」「医療に関与する者の範囲及びその権利と責務」等について検討を行い、その結果を、委員会が考える医療基本法のモデル(草案)として明示。日医が考える医療基本法としては、患者の利益を十分尊重しつつも、医師・医療提供者も安心して医療提供に専念出来る環境を保障すべきとしている他、医療分野に乱立するさまざまな法令や施策を整理し、医療提供者の基本理念を示す親たる法律として、位置づけるべきだとしている。

 答申の内容を説明した今村(定)常任理事は、本答申について、「あくまでも会内の委員会の答申ではあるが、医療基本法についての一つの考え方をかなり掘り下げて議論した結果をまとめたものとなっており、今後、日医の医療基本法に対する公式な見解をまとめていく際の議論の土台になるものである」と強調。今後に関しては、「本答申がきっかけとなって、医療界あるいは国民全体における医療基本法についての建設的な議論が展開され、ひいては、患者・国民と医療提供者の信頼関係が揺るぎないものになることを期待したい」と述た。

◆問い合わせ先:日本医師会医事法・医療安全課 TEL:03-3946-2121(代)
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