白クマ
日医白クマ通信 No.1624
2012年12月21日(金)


定例記者会見
「産業保健委員会中間答申について」
―道永常任理事

定例記者会見


 道永麻里常任理事は、12月19日の定例記者会見で、会内の産業保健委員会が、横倉義武会長からの諮問「地域産業保健センター事業、産業保健推進センター事業並びにメンタルヘルス対策支援センター事業の一括運営」に関し、中間答申を取りまとめ、12月18日に相澤好治委員長(北里研究所常任理事)から会長に提出されたことを明らかにした上で、中間答申の概要を説明した。

 中間答申は、会長諮問について、本年9月に日医が全国47の都道府県医師会を対象に実施した「地域産業保健センター事業に関するアンケート調査」の結果を踏まえ、産業保健事業の継続的・安定的運営に関しては喫緊の課題であることから取りまとめられたものである。その内容は、1.基本的な考え方、2.現在の地域産業保健センター・産業保健推進センター・メンタルヘルス対策支援センターの課題、3.独自に産業保健活動を実施することが困難な事業場に対する総合的な支援の必要性、4.今後の方向性―からなっている。

 同常任理事は、初めにアンケート調査結果を参考資料として示した上で、その概略を説明。それによると、「地域産業保健センター事業は、現在の企画競争方式を見直し、従来の郡市区医師会の圏域ごとの事業に改め、小規模事業場はもとより独自に産業保健活動を実施することが困難な事業場を対象に産業保健活動を支援する事業として、安定的かつ継続的に実施出来る方式にすべきであること」「産業保健推進センターに関しては、都道府県単位のセンターの復活と、産業保健推進センターまたは産業保健推進連絡事務所について、都道府県ごとに労働者健康福祉機構の正規職員及び都道府県労働局から出向した職員が配置された組織として経年的な活動を実施出来る新たなセンターとして再構築すべきであること」が要望されている。

 更に同常任理事は、本中間答申においては、現在、地域産業保健センター、産業保健推進センター並びにメンタルヘルス対策支援センターが抱える多くの課題を解決し、これらの事業が本来目指している機能を安定的かつ継続的に発揮出来るようにするため、3事業を一元化して運営すべきであるとの提言がなされているとした。

 また、今後の産業保健支援事業の方向性について、具体的には、(1)一元化する事業については、経理処理や庶務機能の効率化とこれまでの事業の実施主体構成から、独立行政法人労働者健康福祉機構を設置主体としつつ、都道府県医師会及び郡市区医師会が主体的かつ自主的に関与して事業を運営すべきである、(2)地区センター(仮称)や都道府県センター(仮称)の産業保健支援事業に関する経理や庶務の業務を集約して合理的に処理するため、全国8カ所程度の産業保健支援事業経理事務所(仮称)でまとめて行う、(3)従来実施している産業保健活動推進全国会議は、引き続き、厚生労働省、日医、産業医学振興財団及び労働者健康福祉機構の4者により継続的に開催する―ことを挙げた。

 最後に、同常任理事は、今後は、本中間答申の提言を踏まえ、3事業の一元化に向けて、年内に厚労省に要望を行う予定であることを明らかにした。

◆問い合わせ先:日本医師会地域医療第二課 TEL:03-3946-2121(代)


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