白クマ
日医白クマ通信 No.1744
2014年1月30日(木)


定例記者会見
医療IT委員会の答申まとまる「ITを活用した地域医療連携の実践について」
―石川常任理事

定例記者会見


 石川広己常任理事は、会内の医療IT委員会が横倉義武会長からの諮問「ITを活用した地域医療連携の実践について」に対する答申を取りまとめ、1月16日に川出靖彦委員長(岐阜県医師会副会長)から会長に提出されたことを公表し、答申の概要を説明した。

 同委員会は、「『医療連携IT化元年』という位置付けの元で、地域医療連携をうまく動かすための具体的な議論を」との横倉会長の要望に答えるため、過去の事例の検証、災害時の医療連携、データ形式の標準化、日医認証局の普及促進、個人情報保護―の5つのテーマについて検討し、16名の委員全員が分担執筆する形で答申を取りまとめた。

 答申は、(1)はじめに、(2)ITを活用した地域医療連携のこれまで、(3)ITを活用した地域医療連携を実践するために必要なことと課題、(4)医療連携IT化元年とするために、(5)諮問「ITを活用した地域医療連携の実践について」への答申、(6)おわりに―から構成されている。

 (2)では、日医総研が実施した「ITを利用した地域医療連携調査」の結果の概要と共に、三重県、埼玉県行田市、宮城県、栃木県、鹿児島県、長崎県の6地域における、ITを活用した地域医療連携の取り組み事例が紹介されている。

 (3)では、データ形式の標準化、日本医師会認証局による医師の資格認証、個人情報保護等、ITを活用した医療連携を取り巻く様々な環境整備の必要性について、詳細な考察がなされている。

 (5)では、委員会の結論として、地域医療連携ネットワーク構築を進める地域が抑えるべき10項目のポイントを示すとともに、推奨される地域医療連携モデルとして、成功例として高い評価を受けている長崎県の「あじさいネット」、日医認証局を活用する形で稼働を開始した島根県の「まめネット」の2つを挙げている。さらに、各地域が本当に有用なネットワークを構築するために、日医が行うべき施策として、1)どの医療施設とも医療情報交換が可能な地域医療連携システムの構築、2)どの地域とも医療情報交換が可能な地域医療連携システムの構築、3)ORCAの進化―の3点を求めている。

 そのうえで、(6)では、全ての医療者の医療情報リテラシーを醸成し、診療方法ひいては医療そのもののパラダイムシフトを起こすための戦略的行動こそが日医に求められる重大な役割であると締めくくられている。

 最後に石川常任理事は、答申でも中核的な内容を占めている日医認証局が発行するICカード「医師資格証」のサンプルを提示し、2月8・9日に開催する「平成25年度日本医師会医療情報システム協議会」の会場に、医師資格証の発行申込ブースを設けることを明らかにした。

◆問い合わせ先:日本医師会広報・情報課 TEL:03-3946-2121(代)
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