白クマ
日医白クマ通信 No.1848
2015年1月29日(木)


定例記者会見
日医総研報告書「2012 年・2013 年 (2011 年度・2012 年度) 民間医療機関全体(診療所及び病院)における地球温暖化対策フォローアップと電力供給等に関する研究−2015年COP21に向け厚生労働省所管の『環境自主行動計画フォローアップ会議』等の抜本的見直しを−」について
―畑仲卓司日医総研主席研究員

定例記者会見


 畑仲卓司日本医師会総合政策研究機構主席研究員は、1月28日の定例記者会見で、日医総研報告書「2012 年・2013 年 (2011 年度・2012 年度) 民間医療機関全体(診療所及び病院)における地球温暖化対策フォローアップと電力供給等に関する研究−2015年COP21に向け厚生労働省所管の 『環境自主行動計画フォローアップ会議』等の抜本的見直しを−」について、その概要を説明した。

 本研究は、民間の病院と診療所を合わせた民間医療機関全体での地球温暖化対策のフォローアップをするとともに、世界及びわが国における地球温暖化対策の動向や「電力料金や都市ガス料金高騰」「再生エネルギー固定価格買取制度」の問題――等について検討し、提言することを目的として行ったものである。

 報告書では、地球温暖化対策を評価する目安となる指標として用いている延べ床面積当たりのCO2排出量について、診療所で年率4.12%減、病院で1.82%減と、いずれも年率1.0%削減の評価目安を上回って減少しているとし、その要因としては、診療所・病院共に省エネへの積極的な取り組み姿勢があると分析している。

 地球温暖化対策を考える上で大きな課題となっている業務用の「電力料金や都市ガス料金」の問題については、東日本大震災前の2011年1月を100とした場合、2014年11月現在で、最も高い電気事業者で175.5、最も高い都市ガス事業者で140.0にそれぞれ値上がりしていることなどを報告。これら料金の高騰に対する医療面への配慮が求められるとしている。

 「再生可能エネルギー固定価格買取制度」については、事業参入が容易である一方、調達価格が高いため、太陽光による再生可能エネルギー発電設備の認定容量が急激に増加していることを問題視。国民はもとより医療業界にも負担が増大していることから、これまで日医が主張してきたように、発電コストが低廉で、安定的に発電でき、昼夜を問わず継続的に稼動できる「地熱」を「ベースロード電源」として位置づける等、再生可能エネルギー固定価格買取制度の抜本的な見直しと医療面での費用負担への配慮が求められるべきだと指摘している。

 また、今後については、2015年末のCOP21(パリ)において厳しいCO2削減目標が予想されることから、厚生労働省所管の「環境自主行動計画フォローアップ会議」で検討内容・方法等の抜本的な見直しを行うとともに、2020年以降のわが国の新たな削減目標や削減方法等も含めた協議を行い、地球温暖化推進本部はもとより、経済産業省・資源エネルギー庁や環境省に対し、地球温暖化対策推進の視点からの要請等を行っていくべきであると提言している。

 本報告書の詳細については、日医総研のホームページ(http://www.jmari.med.or.jp/)にワーキングペーパー(No.332)としてその全文が掲載されているので、参照されたい。

◆問い合わせ先:日本医師会総合政策研究機構 TEL:03-3946-2121(代)
◇プレスリリース資料はこちら⇒PDF(138KB)


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