白クマ
日医白クマ通信 No.1912
2015年8月31日(月)


定例記者会見
平成28年度の「医療に関する税制改正要望」まとまる
―今村定臣常任理事

定例記者会見


 今村定臣常任理事は、8月26日の定例記者会見で、日本医師会の「平成28年度医療に関する税制改正要望」の内容について説明した。

 本要望は、会内の医業税制検討委員会で取りまとめ、8月18日の理事会において決定したもので、(1)福島原発事故対策、(2)医業経営、(3)医療法改正に伴う経過措置、(4)勤務環境、(5)患者健康予防、(6)社会医療法人、(7)医療施設・設備、(8)その他―についての21項目からなり、そのうちの16項目を重点項目としている。

 同常任理事は、(2)のうち、「消費税対策(1)社会保険診療等に対する消費税問題の抜本的解決」について、消費税率10%への引き上げが、当初予定されていた本年10月から平成29年4月に延期されたことにより、10%引き上げ時までに環境整備を行うことが時間的には可能であると考え、文言修正を行ったと説明。

 また、「消費税対策(2)設備投資について、特別償却又は税額控除を認める措置の創設」については、消費税率10%引き上げまでの間、医療機関の消費税負担、とりわけ設備投資による負担を軽減するよう、昨年の追加要望に続き、今年度も重点要望として取り上げたとするとともに、厚生労働省の要望において、「医療機関の設備投資に関する特例措置の創設」が新たに加わったことを高く評価した。

 更に、「社会保険診療報酬に対する事業税非課税存続」「医療法人の事業税について特別法人としての軽減税率課税存続」についても、「厚労省が引き続き要望として取り上げており、これを評価したい」と述べた。

 なお、(3)のうち、「持分あり医療法人の相続及び贈与に係る税制」については、「厚労省は省の要望としては取り上げなかったが、日医から要望主旨を改めて説明し、厚労省の要望に加えて頂くよう、引き続き働き掛けていく」とした。

 (4)に関する要望としては、少子化対策の要素を前面に出したとし、厚労省の要望でも「子育て支援に要する費用に関する税制措置の創設」として取り上げられているとした他、重点要望として「市町村を含む地方自治体が実施する医学生修学金等の返還免除益が、給与所得として課税されないよう立法措置を含め必要な措置を講ずる」に関しても、厚労省の要望に新たな項目として追加されたと説明した。

 (5)については、医療費控除のうち、がん検診・予防接種を重点としたと述べるとともに、厚労省は「個人の健康増進・疾病予防に係る税制措置の創設」として要望したと説明。

 更に、同常任理事は、(6)に関して、「社会医療法人認定取消時の税制措置」については、厚労省の要望としても一部が取り上げられたことから、将来的には日医の要望につながるものとの認識を示した他、(8)のうち、「四段階制存続」については、地域医療の確保のために必要な制度として、引き続き存続を強く求めていくとした。

◆問い合わせ先:日本医師会年金・税制課 TEL:03-3946-2121(代)
◇プレスリリース資料はこちら⇒項目PDF(92KB)PDF(493KB)


  日本医師会ホームページ
http://www.med.or.jp/
Copyright (C) Japan Medical Association.
All rights reserved.